特定の甲虫についてインターネット上で検索すると、検索した種を含めてさまざまな甲虫の生態(または生体)画像を掲載する少なからぬ数のブログに行き当たる。それらは図鑑よりも遥かに精密な画像情報を提供してくれるので、非常に便利である。
しかし、それらのブログに対して私は往々にして不満を持つ。不満の理由は、そうした生態画像が何処で撮られたものなのか、撮影場所を示してないことである。時にはブログ所有者のプロフィールを見て場所を推測したりするが、本人の居住地すら何も示唆していない場合が多い。西日本なのか東日本なのかもわからないのである。
虫の分布は種によってさまざまであり、何処でどのような虫が生息しているのか、そのことは非常に重要な情報となる。場合によっては、新たな分布情報の提供となることもありえよう。細かな場所の表示は必要ないが、せめて市町村レベルまでは示してくれないと、せっかくの情報発信が片手落ち(使用禁止用語?)となること甚だしいと思うのである。
さて、そんなことを思い出したのは、日本甲虫学会の会誌さやばねNSの最新号のとある短報記事を目にしたからである。その題は、「新潟県におけるツヤケシヒメホソカタムシの初記録」。
ツヤケシヒメホソカタムシは、私が出向くフィールドのほとんどすべて(ただし平地に限る)において、ドが付くほどの普通種である。見つけても見ないふりをするような虫で、実際に数多く目にしながらこの日記に画像を載せることは相当に稀である。それが、日本海側では記録がないとは、迂闊にも知らなかった。万が一、私が日本海側に出向いてこの虫を見つけたとしても、普段の癖で邪険に扱っていたかもしれない。
虫の地理情報は、重要なのである。
↓雑甲虫を採集し始めた頃の画像@目黒区 in 2009.
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