チビヒラタムシはフィールドで種の判別がおよそ困難なため、とりあえず吸虫管で吸っている。多くの場合は、ルイスやカドムネなど、マイフィールドでありふれた種であると帰宅後に分かるだけなのだが。昨晩は、1頭だけ吸って帰った(↓画像再掲)
さて、検鏡してみると、なんと、前胸背板が見たことのない形状をしていた↓。何という種だろう。
前胸背板の形状から、ひとまず平野図説との絵合わせを試みると、カクムネチビヒラタムシ属であるようだ。それを前提に、精査していく。
すると、おそらくはハウカクムネチビヒラタムシの♀個体ではないかという結論に達したが、平野図説の検索表と異なる点がある。
ハウカクムネチビヒラタムシは、(先日多摩川河川敷で採集した)オニカクムネチビヒラタムシと同様に、「頭楯の前縁は明らかに湾入している」(平野図説)。しかし、この個体の頭楯の前縁には特に湾入は見られない。
一方、同じ検索表で頭楯の前縁が「ほぼ直線状」としている種は、トルコカクムネチビヒラタムシである。しかし、この種の前胸背板の形状は「略四角形」とされ、その幅の後方への狭まりが少なく、上の個体とは異なるものと思われる。
そこで、オニカクムネチビヒラタムシの♀と思われる個体を改めて検視してみたところ、上の個体と同様に、頭楯の前縁は特に湾入していない(同種の♂は頭楯が深く湾入して1対の角状(=オニ状)となっている)。
とすると、「頭楯の前縁は明らかに湾入」という検索表の記述は、もしかしたら♂にのみ当てはまるものではないのだろうか、という疑問が生じる。
というところで、暫定的にハウカクムネチビヒラタムシとしつつ、迷宮入りである。
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