引き続き、ホソゲチビツチゾウムシ近縁種?のネタ。
“Trachyphloeosoma advena”(ホソゲチビツチゾウムシの学名)とネットで検索していると、”Study on Trachyphloeini in Oriental region”(「東洋地域のチビツチゾウムシ族に関する研究」)という論文が見つかった。
その論文には、ホソゲチビツチゾウムシ T. advena とフトゲチビツチゾウムシ T. setosum を含むTrachyphloeosoma属の4種について、詳しく解説がなされている。その4種中の残り2種にホソゲ近縁種?の受精嚢と形状が一致する種がいないことを、まずは確認した。
気になったのは、ホソゲ T. advena の受精嚢の図が少し違っていること。検視対象の個体は、ホロタイプの他、中国産・日本産・米国産とあり、日本産は大阪・和歌山・京都・神奈川産とある。受精嚢の図が何故少し違っているのだろう。
さらに気になったのは、ホソゲ T. advena の♂が中国・雲南省から1頭だけ記録されていること。地域によっては雌の単為生殖では必ずしもないことを示唆している。また、その♂は、触角中間節がやや細めで、上翅の毛(鱗片)が短めで太めであるという(このような注記の上、本論文ではこの♂を T. advena としている)。なんと、この特徴は、ホソゲ近縁種?と一致するではないか(手元のホソゲとホソゲ近縁種?の触角中間節の第1節を比べてみると、ホソゲ近縁種?の方はやや細めであった!)。
いろいろ気になるので、2021年11月に東工大で採ったホソゲ近縁種?(↓当時の生態画像:2021年11月17日拙日記参照)の8頭のうち、6頭を湯で軟化して交尾器を抜いてみた。
すると、やはり全て♀で、受精嚢はこれまで確認してきたものと同じ形状であった↓。なお、少々古い個体は受精嚢を取り出すのが容易でなく、いくつかの個体はバラバラになってしまった。
いずれにしても、中国産の♂の存在は気になるが、それがホソゲ近縁種?と同種である保証はまったくないし、そもそも日本に♂が居るともまったく限らない。
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