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2026年01月29日20:50

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シバンムシ標本の実検結果(その2)

 まずは、H. ishiharai のおさらいから。

 H. ishiharai は、京都府の貴船の1♂個体(1961年4月採集)に基づき1994年に記載された。その記載の際には、神奈川県の箱根で1930年3月に採集された2♂個体(科博収蔵)も検視されたが、その2個体は肢の欠損など損傷が激しかったため、パラタイプには指定されなかった。自分の知る限り、本種がこれまで記録されているのは、この記載文上の3個体(いずれも♂)のみである(もしも他に記録があれば、ぜひお教えください)。

 一方、自分は2022年から25年にかけて、箱根の芦ノ湖畔にてケヤキ樹皮下で越冬中の本種個体を合計30頭採集している(未発表)。しかし、そのうち交尾器を確認した20数個体はいずれも♂であった。したがって、自分の未発表採集個体を含めても、本種の♀個体はこれまで確認されていないと思われる。

 このことから、今般の標本個体は、初めて確認された♀個体であろう。

 H. ishiharaiの体長は、記載文では3.9−4.3mmとされていて、自分の採集個体も(全て計測したわけではないが)そのレンジに収まっていると思われる。ところが、今回の検視対象の標本個体の体長は、4.6mmと大きかった。おそらく、本種において♀は♂よりも大柄なのだろう。

 雌雄の違いは、触角に現れやすい。これ↓は、手元の箱根産の♂の触角。
フォト

 そして、これ↓が標本個体、すなわち♀の触角。
フォト

 触角をうまく伸ばすことができておらず、正確な比較となっていないが、♀の触角の先端3節は♂に比べて一つ一つが短めであることが見て取れる。

 なお、取り出した産卵器は持ち帰りを許され(標本個体は館外の持ち出し禁止)、体液がこびりついていたので現在その除去に努めているところ。残念ながら、一部を損傷してしまったかもしれない。

 続く。次回は、この♀個体の採集状況について。
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