コケシジョウカイモドキは、東京都区部では4月下旬から5月上旬にかけて各種樹木の花で見られ、住宅街の中で採集されることもあるほどの普通種である。ところが、神奈川県では記録が津久井・足柄と(おそらく)山間の地域に限られ、「かなり少ない種」とされている(神奈川県昆虫誌2018)。
しかし、東京都区部だけが特異な分布地であるはずもなく、神奈川県においても横浜や川崎の市街地内に少なからず分布しているに違いない。そのようなことから先日、横浜市港北区日吉の某大学構内で探してみたが、採集は叶わなかった。その一方、本種は東京都区部外の稲城市では見られないとのことなので、神奈川県においても里山的環境が残る場所(例えば日吉の大学構内)ではなく、もっと自然度の低い市街地然とした場所を狙った方が良いようにも思えた。
今日の午前、いつものように東急新丸子駅で降りて川崎市側の多摩川河川敷へ向かう途中、格好と思われるポイントを見つけた。
住宅街のど真ん中で、スダジイの花が満開である。
早速竿を伸ばして網で何度もガサガサすると、多くのカメムシやありふれた種のクロフナガタハナノミなどに混じって、コケシジョウカイモドキが計2頭(どちらも♀)入った。普通種といっても何頭もまとめて採集できるわけではなく、こんなものである。
自分にとって、イメージどおりの採集となった。
一般的に珍しいとされる虫が、市街地内の虫屋が目を向けないほど「つまらない場所」に生息している例を、自分はいくつか挙げることができる。キクイツツキノコムシ、ハマベキクイゾウムシ、ウエノヒョウタンクチカクシゾウムシなどである。そしてこのコケシジョウカイモドキも、そんな虫の一つのようである。
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