今日は日本甲虫学会の東京例会。講演は3つ。
一つ目は、コガネムシの構造色について(農研機構:神村氏)。
(要旨)
‐数ある構造色を持った虫の中でも、コガネムシは左円偏光だけしか反射しない特殊な構造色を持っている。
‐構造色がその色を現わすためには実はそのバックグラウンド(下層)の色素が重要で、メラニン化による色素の黒化を遺伝子操作で抑えると、構造色は現れなくなる。
‐逆に、構造色を生み出す上翅の層構造の組成を遺伝子操作で押さえると、下層のメラニンによる色のみの発現となる。
要するに、コガネムシの鮮やかな構造色は、それを生み出す上翅の層構造の作用だけではなく、その下層の色素色との相互の作用の結果、ということである(注:もしも自分の理解が誤っていなければ)。
二つ目は、ヒメハナカミキリ(ピドニア)の雄交尾器内袋の形質による分類について(東京農大4年:原田氏)
(ポイント)
‐ヒメハナカミキリとその近縁種のDNA解析の結果は、現在の属の分類と必ずしも一致しない面があり、例えばピドニアの基準種である欧州のP. luridaは、日本のピドニアよりもむしろアカムネハナカミキリに近い。
‐雄交尾器の内袋の形質を見ても、アカムネハナカミキリは欧州のP. luridaに近い。
三つ目は、ナガタマムシの雌交尾器の形質について(東京農大3年:佐伯氏)
(ポイント)
‐ナガタマムシは異なる種でもよく似ている場合があるので、雌の交尾器の形質による分類可能性を探る。
‐日本産99種中、現在12種まで調べたところ。
講演が三題も用意されたからか、年の瀬にかかわらず、いつもの例会よりも盛況だった。
自分はしばらく仕事漬けのため、忘年会には参加せずに帰宅。トホホ。
ログインしてコメントを確認・投稿する