神奈川昆虫談話会の今日の例会(@横浜)の講演は、倉西良一氏(元千葉県博)によるトビケラの話(演題は、「渓流性水生昆虫の多様性の謎に迫る」)。トビケラの中で最も有名でなじみやすいムラサキトビケラの話だった。
ムラサキトビケラは、実は自分は見たことがないのだが、後翅の美しい大型のトビケラである。甲虫屋でも、山間で灯火採集をすると目にする機会が多いらしい。
ムラサキトビケラ(Eubasilissa regina)は日本では現在一種とされているが、実はそれが3種に分けられる、という話。未発表ということなので、ここで何処まで書いていいのか分からないが、要点は次のとおり。
- 中国〜四国あたりの大型の個体群は、実は別種だった
- 九州の個体群も、実は別種だった
- ムラサキトビケラ(Eubasilissa regina)のタイプ標本は、実は九州の個体群のものだった
というわけで、ムラサキトビケラが「ガラガラポン」となる発表が、今年中になされるそうなのである。
海外の博物館でのタイプ標本を検した経験などを交えて、たいへん話術が巧みで、長い講演だったが終始引き込まれるように聴いていた。失礼な言い方かもしれないが、研究対象に対する愛にあふれた講演だった。
倉西氏はトビケラの標本を集めておられるそうである。「どうせ採っても皆さん要らないでしょう?」というトーンの呼びかけが、会場の笑いを誘っていた。
懇親会に出られなくて残念。これから一週間、自宅で缶詰めになって採点作業である。当然ネタ切れとなるため、日記をときどき休まざるを得なくなるかもしれず、お許し願いたい。
ログインしてコメントを確認・投稿する