外来種は、固有の天敵がその地域にいないことから、爆発的に数を増やすことがある。甲虫ではないが、各地のサクラの街路樹でアメリカシロヒトリが大発生したのはいつ頃のことだっただろうか。
かと言って、外来種がみな移入後に急増するわけではけっしてない。例えばフラーバラゾウムシはいまだに目立って増えている印象はない(何らかのきっかけで急増しだすかもしれないが)。外来種の中には、一時的な生息で人知れず居なくなってしまう例も多いだろう。
では、ある地域で特定の種が突然急増することとなった場合、それは外来種だからだろうか、それとももともと土着していた種でも何らかのきっかけで急増することがあるのだろうか。
後者の例から見てみよう。2023年は、神奈川県と東京都(おそらくその周辺県も)においてアカアシオオアオカミキリの当たり年だった。しかし、アカアシオオアオカミキリは両都県に少ないながらももともと生息していたことは記録上(そして東京都区部では自分の記憶上)明らかであり、外来種ではもちろんない。急増の理由はナラ枯れ関連であることも、はっきりしている。このように、ある種が突然増えたとしても、それだけで外来種と決めつけることはできない。
悩ましいのは、東京都周辺のキボシコオニケシキスイである。2020年に都区部で少数見つかったのが東日本初記録となり、その後数年のうちに神奈川県などの周辺県を含めて急激に数を増やしている。さて、東京都およびその周辺のキボシコオニケシキスイは外来の個体群なのだろうか、それとももともと土着していた個体群がナラ枯れの作用で増えただけなのだろうか。神奈川県や千葉県では東京都に遅れて本種が記録されたことから、あたかも東京都区部の個体群が周辺に広がっていったように見える。しかし、たまたま東京都区部で最初に見つかっただけであって、その個体群が広がったわけではないのかもしれない。
ちなみに、キボシコオニケシキスイは、愛知県では2019年に採集されたのが初記録となっている。さて、愛知県ではその後今日に至るまで、東京都周辺のように数が目立って増えているのだろうか。さらに、その前からナラ枯れが進行していた関西地方では、土着していたキボシコオニケシキスイはナラ枯れによって増えたのだろうか。もしも東京都周辺のような急増がナラ枯れ下においても見られていないのであれば、東京都周辺のキボシコオニケシキスイは土着種ではなく外来種である可能性が出てくるように思える。
いずれにしても、外来種か否かの判断は相当に難しい。特に国内(それも本州の他の地域)由来の外来種については、意見を述べることはできても断定はとてもできない。
外来種についての勝手な考察、まだまだ続きます。
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