今は生まれ育った場所に住んでいるので、小さい頃(もう半世紀も前)の記憶と比較すれば、「かつて身近に普通に見られたのに今は居なくなった虫」をいくつか挙げることができる。
そのうちの一つが、クロカナブンだ。自宅隣の神社のアカガシは、かつては樹液を盛んに出していて、シロテンハナムグリが優占種だったが、記憶が誤っていなければ、クロカナブンもときどき姿を見せていた。
ところが、身近の甲虫を調べ始めた2008年以降、クロカナブンは2009年に隣町の神社(目黒区)で死骸を1頭拾ったきりである。例えば横浜市の日吉の大学構内ではクロカナブンを多く見るのに、都区部・城南地区(港・目黒・品川・大田区)では見たことがない。もっとも、晩夏にクヌギなどの樹液を丹念にチェックしていれば、今でもかろうじて見つかるのかもしれないが。
昨晩、かつて死骸を拾った神社にたまたま夜回りしていたところ、シラカシの根元の樹液に目が留まった。
クロカナブン・・・!?
そうであれば、自分としては画期的な発見である。クロカナブンにしてはちょっと時期が早い気もしたが・・・
で、持って帰ると、なんと、黒銅色のリュウキュウツヤハナムグリだった。こんな色の個体は初めて見た。
16日に採集した通常色のリュウキュウツヤハナムグリ(右・上)との比較(自然光の下で撮影)。
「日本産コガネムシ上科図説」をひもとくと、黒銅色は悪石島亜種に多いようだ。
都区部で繁殖するリュウキュウツヤハナムグリは、もしかしたら亜種レベルでいくつか混じっているのかもしれない。
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