都区部某所でイヌタデから採集しているタデトゲサルゾウムシによく似ていて一回り小さいトゲサルゾウムシ(↓画像再掲:問題のゾウムシは右側)について、引き続き調べている。
神奈川のS藤さんにカナムグラトゲサルゾウムシの♂交尾器画像を送ってもらうよう依頼したところ、早速送ってくれて、それは都区部某所の個体のものと一致した。このことは、以前JUNさんからも確認させてもらっている。
ところが、それからしばらくして、S藤さんから再び連絡が来た。以下、その要旨(自分が多少脚色)。
「交尾器画像を送った個体の他にカナムグラトゲサルゾウムシと同定していた個体を含めて、手元のよく似た個体を全て調べたところ、♂交尾器の形状は画像を送ったものと全く異なっていた。すなわち、カナムグラトゲサルゾウムシとしていたものはクロトゲサルゾウムシとの誤同定だった(ただし、いずれの種も♂交尾器の資料がないため、確定的なことは言えない)。保育社図鑑の検索表では、「前胸背前縁は中央が浅くえぐられ、その両側はやや鈍角の突出となる」のがカナムグラトゲサルゾウムシ、「前胸背前縁はえぐられず、幅広く裁断状」のものがクロトゲサルゾウムシと記述しているが、前者の特徴はクロトゲサルゾウムシにも一部の個体を除き当てはまるようだ。このことから、自分の他にも誤同定されている場合が多いのではないか。」
「カナムグラトゲサルゾウムシの原記載(ただし♂交尾器の記載なし)によれば、フ節は黄色く触角第1節(柄節)は明褐色とあり、一方、クロトゲサルゾウムシ(別の原記載をそのまま引用)はフ節と触角は暗褐色とされていて、これは両種の区別に役立つのではないか。」
「結局、手元のカナムグラトゲサルゾウムシは交尾器画像を送った個体だけ(他はみなクロトゲサルゾウムシ)となったが、それは草むらのスイープで得たもので、ホストがカナムグラだったのか否かは不明。したがって、ホストの問題も残っており、厳密を期すには両者のタイプ標本の再検討を待つしかないようだ。」
当方の照会に丁寧に対応していただき、たいへん勉強になった。
これを受けて手元の(都区部某所の)個体をあらためて調べてみると、いずれもフ節は黄色く、触角の柄節は明褐色だった。したがって、イヌタデから採ってはいるものの、今のところはやはりカナムグラトゲサルゾウムシとしておくこととする。
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