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2015年10月22日11:32

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環境の変化と虫の数

 先の土曜のネタが尽き、日曜は用事があって採集活動ができなかったので、もはや採集ネタが尽きてしまった。日記を続けるには、駄文を書くしかない。

 「昆虫はもっとすごい」(光文社新書)を読んだ。丸山・養老・中瀬三氏による対談がつづられた文庫本である。

 そこに、こんなくだりがある。

 中瀬 面白いのは、昆虫って「100点の環境じゃないとすぐに滅びてしまう」わけではない、ということです。むしろ、ちょっと環境が崩れているほうが、数が増えて元気に飛び回っている気がします。・・・(略)

 丸山 ああ、経験上、それはたしかにありますね。・・・(略)・・・木を伐採したり整地したりすると、つまり環境がダメになりかけてくると、かえって虫が増えることがあります。おそらく原生的な環境では、多様な種の虫がちょっとずつ、程よく少ない密度で存在しているのではないでしょうか。


 希少種は概して環境の少しの変化に脆弱であるため、上のやり取りは少々誤解を生む恐れがあるが、環境変化にある程度強い多くの虫については、よく当てはまる内容ではないかと思う。人の手が適度に入った里山は虫が多いし、山奥よりも都会の方が、緑地の単位面積あたりの虫の数は多いのではないかと思えたりする。これはあくまでも厳密な議論ではなく、虫の見つけ易さから来る印象論に過ぎないが。

 ワシントン近郊の森は、住宅街が迫っていようとも、原生的な雰囲気が残る森である。すなわち、ここには農業や林業を行う農家は存在せず、散歩道の整備などを除いては、森にはほとんど人の手が加わってきた形跡がないのである。そのような森で虫探しをしている自分としては、虫が「程よく少ない密度で存在している」というのは、極めて的を射た表現であるように感じる。日記ではやたらに虫の画像を連ねているので、そのような印象を与えていないかもしれないが、豊かな自然のわりには虫が少なく、一箇所に数がまとまって虫が見つかるという場面は、日本での経験に比して稀である。以前にも書いたが、ここは人間にとっても虫にとっても居住環境が抜群で、皆、距離を置いて広々と生活をしている、そんな感じなのである。これでは、限られた時間での採集成果は、なかなか上がらない。

 自分の採集下手を棚に上げるのにちょうど都合の良いことを丸山氏は書いてくれたと、密かに感謝しているところである。
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