神奈川県産チビクワガタは、きわめてレアである。
県の2006年RDBでは、オオルリハムシと並んで「希少種」とされている(ただし、オオルリハムシは例えば箱根の湿生花園に行けば容易に見つかる)。チビクワガタの県内からの記録は、これまで2002年と2004年に同じ住所地から二度なされているに過ぎない。
このたび、最近県内で採ったという採集者にtsuu3@田中さんが連絡をとって、採集地に案内してもらえる運びとなり、私もお誘いいただいた。昨日朝、長津田駅でtsuu3@田中さんに車で拾っていただき、案内いただく人との集合場所へ向かった。
その場所は、これまでの記録と同じ住所地内の、広い公園の外縁の斜面にある雑木林内だった。
こんな環境↓。
ナラ枯れにより倒木や太い落ち枝が散乱している。とはいえ、何処にでもあるような雑木林である。材を割ってもコクワガタばかり出てきそうで、チビクワガタが居ると思わない限り、手を付けようという気になる場所ではけっしてない(tsuu3@田中さんも同様の感想)。
3人で2時間近く探索し、結局二本の材から計5頭(自分は2頭)の成虫を割り出した。それも隣り合った材で、居場所はきわめて局所的だった。その他に、自分はその近くの別の材で1頭採り逃がした(チビクワガタ採集初心者のため、敏捷に動くとは思わず油断したのだ)。
いずれにしても、居るということが目の前で確認できた。生息密度は薄い様子であるものの、今がチビクワガタがコロニーを作る時期(すなわち材採集の適期)なのかは、よく分からない。
コクワガタやノコギリクワガタとおぼしき幼虫もあちこちの材中に見られたが、思ったほど多くないという印象を持った(むしろナガゴマフカミキリとタマムシの幼虫は目立った)。ただし、そのことがチビクワガタの生息と関係しているかどうかは不明。
さて、この場所は上記のとおり、これまでの記録地と同じである。とすると、少なくともこの20年以上、この場所で累代生息を続けているということである。生息環境は、悪化しているというより、ナラ枯れのため一時的にはむしろ良くなっているだろう。ただし、繰り返しになるが、それでも生息密度は薄いようである。
案内いただいた人によると、その友人がチビクワガタを県内の別の場所で採集しているという。確かに、どこにでもある雑木林環境であり、チビクワガタがこの場所にしか居ないとは考えにくい(Facebookを見ていると、クワガタムシで有名なY田氏が埼玉県の多くの場所で採集している様子である)。
おそらく問題は、チビクワガタの生息環境は虫屋にとっては陳腐な環境であるため、チビクワガタをわざわざ「狙って」探さないとなかなか見つからない(すなわち、他の採集の副産物になりにくい)、ということではないだろうか。そのことがこの県内で「レア」な虫の発見を難しくしているように思われた。
tsuu3@田中さん、貴重な機会にお誘いいただき、どうもありがとうございました。
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