ウエノヒョウタンクチカクシゾウムシは、記録の少ないゾウムシである。
その理由が、今、分かったような気がしている。今シーズン8頭採集したのはいずれも、虫屋がめったに追わないような「つまらなそうな場所」であったのだ。
その例の一つ、東工大キャンパスの研究棟の外灯。周囲には、たいした樹木も草地もない。夜、その外灯下に、ウエノヒョウタンクチカクシゾウムシが来るのである。
同キャンパス内では、他の似たような場所を含めて、合計4頭見つけた。いずれも、研究棟の外灯近くの外壁のごく低いところにいた。何故そんな場所に来るのかは、謎である。
また、目黒区内の緑地公園のトイレの中で夜間に見られたこともあった。このゾウムシが土の中から出てくるのはおそらく夜に限られるが、弱いながらも走光性を持っているのかもしれない。
ウエノヒョウタンクチカクシゾウムシの生態については、論文が一つある。そこには、ヒガンバナを栽培している植物園で多数発生したとされている。幼虫も成虫も、球根を食するとのことだ。
自分はヒガンバナの発生地とは言わずいろいろな場所で見つけているので、ホストの植物はヒガンバナだけでなくおそらく多岐にわたるのだろう。それらは主に、「つまらなそうな場所」に生えている球根を持つ植物に違いない。
なお、ある個体は、地面に落ちた柿の実に入り込み、それを食していた。これは例外的なことなのだろうか。
市街地内で昨年は4頭、今年は8頭。何故か自分に縁の多い虫である。
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