依然として都区部某所調査の報告書取りまとめで忙しくしている。この8月から、かなりの時間を費やしている。
さて、先月の牧場採集(長野県佐久郡)で数頭拾ってきた、ムネビロスナゴミムシダマシ Gonocephalum japanum(旧称スナゴミムシダマシ)↓
そして、一昨日世田谷区の河川敷で拾ってきた、ムネビロスナゴミムシダマシ↓
日頃から後者の方に目が慣れていると、前者、すなわち山のムネビロスナが違って見える、という現象が起きる。このことは、2013年8月に長野県の安曇野でも感じた。
そこで、あらためて山の本種個体と里の本種個体を比べてみる。ただし、まだ厳密な比較を行う準備がないため、今日のところは「はじめの一歩」に過ぎない。
並べて撮影した拡大写真↓。実体顕微鏡を通すと、これが限界。下(右)が山の個体、上(左)が里の個体、である。
性別を調べていないため、性差があるかもしれない。それを加味しても、上翅の違いが目に付く。これが自分が覚えた違和感の正体である。
横から撮影↓。手前が山の、奥が里の個体である。
要するに、山の個体は、上翅が幅狭く、平たい。逆に言えば、里の個体は、上翅が幅広く、分厚い。たまたま山の個体が♂で里の個体が♀なのかもしれないが、他の4頭(性別不明)の山の個体を見ても、だいたい同じようなものである。
横並び画像を再掲↓
日本産ゴミムシダマシ大大図鑑をひもとくと、本種には伊豆諸島亜種があって、その亜種は上翅や前胸背の表面の顆粒が大きいとのこと。もしかしたら、世田谷区多摩川河川敷産の個体は、伊豆諸島亜種に近いのかもしれない。顆粒の様子が山の個体と違うのだ。
実は、大大図鑑の本種の解説に、本種は林内に生息するという記述があることが、前々から気になっていた。何故なら、都区部では、本種を見つけるのに最も確実な場所は、林内ではなく、オープンな河川敷だからである(コスナと同じ)。中日本や西日本では、本種は河川敷の虫という感じではないのだろうか?
というわけで、今後もっと近場の(特に河川敷産の)個体を集めて、精査を深めていくこととしたい。
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