トラフコメツキは春先に出現する虫で、東京都区部に多く見られるものの、郊外に行くとあまり見られなくなるという、都会っ子な虫である。現に自分は、しばしば足を運ぶ三浦半島でトラフコメツキを見たことがなく、居るとは思うが生息密度は相当に低いのだろう。このような特殊な分布からすれば、東日本の山間や西日本で見られるトラフコメツキとは種類を分けられる可能性が高いと思われる。
もしも東京都区部に多いトラフコメツキが別種(独立種)であるとすると、都区部を中心とした分布にかんがみれば、外来種ということになるだろうか。もしもそうだとすれば、いつ頃進入してきたのだろうか。
そのトラフコメツキ、先日の拙日記で紹介したI崎氏所蔵の標本箱にも、目黒区産が1頭鎮座していた。ただ、残念なことに、その個体は1941年の記録ではなく、1970年のものだった。1970年頃には、既に都区部に普通に居たのだろう。しかし、それから50年も経っているのに、東京都区部から大々的に拡散していないのは、興味深い。
一方、1933年に記載されたトウキョウヒメハンミョウ(基産地は都区内ですか?)の場合は、今やだいぶ拡散しているようで、例えば三浦半島では普通に見られる虫である。
こういうことを考え始めると、キリがなくなる。自分が他に興味を持っているのはセスジナガキマワリの分布についてで、これも都区部に多く見られる虫であり、三浦半島でも普通だと思うが、確か静岡県では記録がないのである。
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