mixiユーザー(id:34218852)
日記一覧
- フィクションと現実（39）チャーリー・ブラウンのアメリカ
- 2023年12月31日18:34
チャーリー・ブラウンの仲間たちは皆個性的で強く自己主張する。その代表はルーシーだが、弟のライナスも毛布が手放せないくせに一人前の言葉を吐く。 ピアニストのシュレーダーやのんきなスヌーピーなどなど個性全開である。 しかし自己主張の強い人間ば
- フィクションと現実（38） 天皇制の日本
- 2023年12月30日17:59
朝吹登美子が辛酸なめ子との対談で、「フランスの哲学者ロラン・バルト「表徴の帝国、記号の国」1970 に言及していた。 「「東京の中心にある皇居は誰からも見られない空虚な空間だと、つまり中心に実体的なものがない、中心を欠いている都市だと。」との
- フィクションと現実（37） インセスト・タブーは本当にあるのか
- 2023年12月28日17:55
親子・兄弟・伯父姪などの近親間の性関係を相互に自発的に避ける根拠を神々の命令（タブー）とする。 大部分の人々はこのタブーに同調し従っているわけだが、タブーを踏み越えている人もいるらしい。らしいというのは、誰も公表しないので、実際の割合が
- フィクションと現実（36） 「知識は力なり」フランシス・ベーコン
- 2023年12月19日10:40
フランシス・ベーコン1561-1626 イングランドの思想家。シェイクスピアと同時代人。安土桃山から江戸時代初期。ラテン語では「scientia est potentia」、英語では「knowledge is power」ラテン語の scientia および英語の knowledge は知識に限定されて、
- フィクションと現実（35） 主人公の相似・ライヴァル関係
- 2023年12月17日09:38
１．映画「禁じられた遊び」ルネ・クレマン監督（愛のロマンス） 映画「卒業」1967年（サウンド・オブ・サイレンス） どちらもテーマ・ミュージックが忘れられない名曲。 「卒業」は「遊び」のパロディになっている。 恋人の母親と関係するのは「禁じら
- フィクションと現実（34） 地名も踊る
- 2023年12月14日09:25
茨城県で、私のよく知っている難読地名 神立（かんだつ） 土浦市 なぜ鹿島神宮と関係のない、また大きな神社もない土浦の地名にあるのかわからない。 「鹿島立ち」で有名な鹿島神宮はずっと東の太平洋沿岸に近い。 常名（ひたな） 土浦市 茨城県の
- フィクションと現実（33） ブルジョワ生活風俳句史
- 2023年12月10日17:54
いつまでもワビさびとか日常の瑣事俳句でもないだろう。北原白秋 「落葉松」大正14年 からまつの林を過ぎて、 からまつをしみじみと見き。 からまつはさびしかりけり。 たびゆくはさびしかりけり。 落葉松は軽井沢に違いない。私自身は職場の旅行で軽
- フィクションと現実（32） 難解俳句のさまざま
- 2023年12月08日11:29
高浜虚子は写生俳句だった。多分、絵画の写生からの発想だろう。そう言えばアンドレ・ジッドの小説家群の「贋金づくり」でも新しい小説を模索するなかで絵画の動向に追随していた。 「遠山に日の当たりたる枯野かな」虚子 １．シュールレアリズム（超現実
- フィクションと現実（31） 新聞の12月は、８月と並んで太平洋戦争大騒ぎ月間
- 2023年12月05日21:05
昨年のことだが、読売新聞の読者から、毎年同じことを報道するのかというクレームがついたらしい。読売の編集手帳には、毎年やります。毎年大騒ぎします。という趣旨の回答があった。 無論、大平洋戦争は米軍の都市空襲と弁駁により国民に未曽有の被害と戦
- フィクションと現実（30） 定住社会日本と移動社会欧米
- 2023年12月04日08:18
テレビのニュース・ショウで、アメリカで、SNSで評判になった表情の変化が面白い少年が子役候補に抜擢されたという報道を見た。コメンターたちはアメリカではトップの即決で決まるが、これが日本ならいろいろハンコを貰って時間がかかると言っていた。 日
- フィクションと現実（29） 小説の主人公たち
- 2023年11月28日11:42
１．素朴な青年の教育問題 漱石「三四郎」九州から東京帝大に入学した素朴な青年が、与次郎、里見美祢子（平塚雷鳥がモデルとか）、広田先生等の変人に教育を受ける。寺田寅彦がモデルの野々宮だけはまともな学者だった。 トーマス・マン「魔の山」結核に
- フィクションと現実（28） 技術革新は需要の夢を見て正夢にする
- 2023年11月27日14:00
読売新聞の書評欄で、南基正「基地国家の誕生 朝鮮戦争と日本・アメリカ」を、堀川恵子氏（1969年生53歳。元広島新聞記者、ノンフィクション作家）が解説していた。 堀川氏は、その昔、近所のおじさんが「朝鮮戦争のおかげで工場が復活した」とうれしそう
- フィクションと現実（28） 日本の風景・・・神が宿っていて再生する
- 2023年11月25日18:50
古事記 葦芽（あしかび）豊葦原瑞穂の国 葦原と瑞穂（稲穂あるいはキビなどの雑穀の穂）日本の原風景が葦の国だったのは間違いない。葦の適地は湖や湿地だが、塩分を含む河口付近や汽水湖でも生える。 縄文時代から日本海航路が開けていて、一日の航海ご
- フィクションと現実（27） 俳句における永遠と日常・命
- 2023年11月25日12:08
１．「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」正岡子規 ・・・日常に永遠が侵入してくる。年越しの鐘の音は期待しているのだが、子規は不意を衝かれた。「方丈の大庇より春の蝶」高野素十 ・・・この蝶は永遠からの使いなのだろう。２．「閑さや岩にしみ入る蝉の声
- フィクションと現実（26） 技術革新から技術普及へ
- 2023年11月24日12:04
マルクス 景気拡大―過剰生産―経済恐慌 1929年末にアメリカから始まった恐慌が世界恐慌となった。これが資本家を疫病神させたきっかけとなり、日本では2･26事件から軍部独裁へ、ドイツではユダヤ系金融資本家を憎ませるヒトラーの政治手法を有効なものと
- フィクションと現実（25） gentleman（郷紳、地方大地主）の出自と教育
- 2023年11月23日13:50
イギリスと言えばジェントルマンの国であり、誰かのエッセイで、本当に穏やかな（gentle）人たちだったと書いていた。（穏やかなという評価はただの褒め言葉ではない。弱いという意味もある。） 強いジェントルマンを育成する学校が、地主たちによる私立の
- フィクションと現実（25） 仏教、密教、キリスト教
- 2023年11月21日20:24
釈迦の仏教は死ぬためのものである。四苦八苦の人生を涅槃によって終わらせるのを理想とする。浄土教では、よりはっきりして、阿弥陀仏の極楽浄土へ往生することを目的としている。日本では法然と親鸞が鎌倉時代に再生させた。ただし、親鸞の浄土真宗は僧侶
- フィクションと現実（24） 分けると分かる
- 2023年11月21日07:38
「我思う、故に我あり」で有名なデカルトだが、「思う」対象をできるだけ単純にする（分析）ことから始めるべきとしている。 つまり、物事は分けると分かりやすくなるわけで。 ということなら、「わける」と「わかる」は、同じ「わ」を語幹とした派生語だ
- フィクションと現実（23） 当て字は踊る
- 2023年11月18日21:27
「灘」�，覆澄Ｄ�流が激しく波の荒い海。 �△察�はやせ。岩石が多く、流れの急な所。 柳田国男いわく、漢字から本来の意味を探ろうとすると誤解が生じる場合がある。 �，△気察弊�瀬）。川や海の浅い所。 �△呂笋察柄畧ァ法Ｎ�れのはやい所。急流。 茨城
- フィクションと現実（22） ナンセンス、シリアス、ファントム
- 2023年11月18日08:45
ルイ・マル「地下鉄のザジ」Zazie dans le métro1960最近のテレビ放映で見たのだが、最初は中学生の頃、年の離れた兄が連れて行ってくれた。評判だったからだと思うが、兄も「さっぱり分からない」と言っていたように覚えている。 10歳くらいの田舎娘
- フィクションと現実（21） 推理小説と恐怖小説・社会小説は兄弟関係
- 2023年11月17日09:42
不可解な事件を明快に推理することと、推理不能で恐怖に放置される小説。エドガー・アラン・ポーに両方があるのは、彼の不安定な精神・心理状態によると思われる。「モルグ街の殺人」1841年暗号の解読「黄金虫」恐怖小説「黒猫」、「アッシャー家の崩壊」
- フィクションと現実（20） にぎやかな詩や歌
- 2023年11月15日08:10
宮沢賢治 妹とし子との最後の会話「永訣の朝」など「無声慟哭」詩編や妹を追悼するだけでなく、後追いの衝動に駆られる「オホーツク挽歌」群など悲劇的な詩がある一方で（結婚してとし子が雑貨屋を開いたが、1年で病気で亡くなったとの詩もある）、もとも
- フィクションと現実（19） よく迷いそうになる人のための俳句と唐詩
- 2023年11月14日06:04
「しぐるるや駅に西口東口」安住 敦 多分、よく知らない駅でどちらに出たらよいのか分からなくなったのだろう。昔、東京に出張などで行った時など、私も良く迷った。時雨は降ったりやんだりで、戸惑う天気でもある。京を東に向かうと逢坂の関、今は汽車
- フィクションと現実（18） 漢・唐詩とそこから派生した日本のことわざや歌
- 2023年11月11日16:08
１．無名氏（詠み人知らず）去者日以疎来者日以親（去るものは日々にうとし。人でもペットでも） ２．李白 蜀道難劍閣崢��而崔嵬（けんかく そうこう として さいかい）一夫當關萬夫莫開（一夫関に当たれば 万夫も開く莫し） 箱根八里 鳥居忱 滝廉
- フィクションと現実（17） 日記の時代があった
- 2023年11月10日12:01
１．アンネ・フランク「アンネの日記」1947 なぜか自宅にあった。 1942-44年のアムステルダムの隠れ家生活の間の日記で、かくまっていた女性が一家の逮捕後すぐに回収し、戦後生き残った父親に渡した。 映画化は1959年で、多分テレビの放映で見た。 ２
- フィクションと現実（16） イスラム教という政教一致宗教
- 2023年11月09日14:19
カトリックとの比較で言えば、ローマ法王・教皇庁に相当する信者を統括する組織がない。 また神父や牧師に相当する信仰の指導者もない。プロテスタントの場合は長老組織があって教区の牧師を任命する。 で、イランのホメイニ師も尊敬を集める人物だが、身
- フィクションと現実（15） 万葉集から現代までの感性
- 2023年11月08日15:21
現代日本人の感性は万葉集の時代と同じと言って良いのではないか。 大陸の民族は他民族に押されたり、押し出したりして移動することが多い。例えばトルコ民族の場合、隋・唐の時代の北方モンゴル高原に大帝国を形成した突厥（とっけつ・チュルク）帝国はト
- フィクションと現実（14） 「しな」はいろいろの進化した
- 2023年11月08日08:05
� 嵒福廖↓◆峅福廖�➂「階」、�ぁ峙蕁廚裡瓦弔隆岨�を「しな」と訓読みする。 � 嵒福廚賄�然で、品物で商品のこと。一品、二品。上品（ひん）・下品など。古代の貴族身分では「いっぽん」、「にほん」などに使われた。 �◆峅福廚狼�都に山科があ
- フィクションと現実（13） 歌の相似形
- 2023年11月05日16:25
１番目が「大岡信折々のうた」岩波新書から ２番目が、１番目で連想で思い出した歌や小説。「やみがくれ岩間を分けて行く水の 声さえ花の香にぞしみける」凡河内躬恒「足引きの岩間をつたふ苔水の かすかにわれはすみわたるかも」良寛良寛の歌を詠むと、
- フィクションと現実（12） オマージュ追随小説
- 2023年11月04日17:35
ベストセラーに追随する小説があるが、たいていは原作よりだいぶ落ちる。しかし、原作に匹敵する、あるいは独自性を持った追随小説もある。 １．アメリカ映画「フック」（原題: Hook）1991年 原作では、健忘症のピーター・パンはしばらくロンドンに来ない
