mixiユーザー(id:34218852)

日記一覧

 先に、大江健三郎のキャラクターを知る手段として、最初の評論集を検討したが、もうひとつの手段は、少年時代を検討することだと思う。ただ、いろんな処で触れてはいるが、まとまったものはなく、ここでみる「自分の木の下で」朝日新聞社2001 が一番多いよ

続きを読む

 ここでは、大江の文学論についてまとめたいのだが、彼が背景として設定するのは日本の「停滞した」と彼が考えている政治状況なので、政治的意見を切り離すことは適当ではない。 1.「・・・あいまいな閉ざされた状況にいる人間を書きたいと思う。ぼくはそ

続きを読む

 大江健三郎という謎の小説家が創造された経緯を探るにあたっては、その原点ともいうべき最初の評論集「厳粛な綱渡り」文芸春秋1965 に、まず当たるべきであろう。などと言えば、サルトル「嘔吐」で主人公が、中世の謎の政治家の行動を探るために、その政治

続きを読む

 大江健三郎「あいまいな日本の私」岩波新書1995 を読んだ。私はこれを、同じく、ノーベル賞受賞演説である川端康成「美しい日本の私」のパロディではないかと疑っているのである。 この本は、いくつかの講演を集めたもので、全体の題名となった受賞演説は

続きを読む

春一番が吹いて春本番
2014年03月18日18:01

 いよいよ春が来た・・・と思ったが、予報では寒気と入れ替わって今晩から寒くなるとのこと。 一枚目は、逆光で白い木肌が見にくいが、シラカバである。高原にあるものと思い込んでいたが、近所の庭にいくつか見かける。しかし、やはり夏の暑さのせいか、切

続きを読む

 今日の読売日曜版の名言巡礼は、小林秀雄「美しい花がある、花の美しさという様なものはない。」だった。「美しい花そのものを見て、言葉を失うほど感動せず、花の美しさばかり分析し知識をひけらかす」ことを批判したのだという。 しかし、ここでいう「花

続きを読む

 矢野絢也 「私が愛した池田大作 虚飾の王との五十年」講談社2009 を図書館から借りてきた。昔は、時々創価学会関係の告発本や記事などを読んでいたが、今頃はご無沙汰だったが、本棚で目に留まったのである。 著者の矢野氏は1953年に創価学会に入信し、

続きを読む

近所の早春
2014年03月11日10:08

 まだ寒いけれども、昨日と違って、今朝は風がないので温かさが感じられる。 一枚目は、モグラのあけた穴。近所の小さい大学の芝生。 二枚目は、梅。となりのサンシュウにつぼみがでている。こうすぐ咲くだろう。この家は長く空き家のなっている。 三枚目

続きを読む

 尾崎真理子「石井桃子の図書館」を「新潮」2014.3 で読んだ。これを含む評伝が「石井桃子の百年(仮題)」として5月に出版されるとのことである。 石井桃子(1907.3−2008.4)については、20代になってからだが、「子供の図書館」岩波新書1965 を読ん

続きを読む

 小川軽舟「現代俳句の海図 昭和三十年世代俳人たちの行方」角川学芸ブックス 平成二十年(2008)を読んだ。この本の目的は副題のとおりで、10人の俳人の句からそれを明らかにしようとするものであるが、私の場合、それを読み取る力はないのでぎりぎり理

続きを読む

 松村由利子「物語のはじまり 短歌でつづる日常」中央公論新社2007 を図書館から借りてきた。最近、難解な俳句や短歌などの意味を知りたくなったからだが、ここには難しいものはなかった。内容は、「働く」、「食べる」から始まって、「病む、別れる」とい

続きを読む

 先日、どういうわけか岩谷時子(1916.3-2013.10)の歌番組を2本やっていた。BS・NHKアーカイブスとBS・ТBSのそれぞれ2時間ほどのものであった。岩谷時子を知ったのは竹下景子が演じたドラマだったが、それはウィキによれば1990年のNHKドラマ

続きを読む

 ある時、森澄雄選には名所を詠み込んだ句が多いのに気がついた。だから、何でもいいのかと思ったのだが、当時は・・・今でもか、その必然性が理解できなかったのだ。だから、地名を入れたのを投稿してもだめだった。 その中で、入選したのがこれだった。 

続きを読む

 昨日、テレビで、ジョン・アヴィネット監督「フライド・グリーン・トマト」1991 をみた。以前に、小説で読んで日記にも書いたのだが、  http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1636202121&owner_id=34218852なんだか、ずいぶん印象が違ったような気がした。そ

続きを読む