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日記一覧

 フィリパーピアス「ハヤ号セイ川をいく」1955 は、「トムは真夜中の庭で」で有名なピアスの第1作で出世作でもある。 内容は、少年が先祖の隠した宝のありかを、場所を示す手掛かりをもとに、友人と二人で、ハヤ号というカヌーで探す話である。少年の屋敷

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 ブロイスラー「クラバート」1971 は、知らないうちに魔法使いの弟子になってしまっていたクラバート少年が、愛する少女の力で、その境遇から逃れるという物語である。クラバートは、自分では水車小屋の粉屋の徒弟になったつもりだったのであるが、水車小屋

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 ケネス=グレアム「川辺にそよ風」(原題the wind in the willows1908) は、息子アラステアが4歳から7歳の間に、せがまれて話してやったモグラ、ミズネズミ、アナグマにヒキガエルたちの物語である。これは今までに出版された童話の中で1位に推されてい

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 ロバート・マックロスキー「ゆかいなホーマーくん」1943 は、超がつくほどのんびりした、アメリカはたぶん中西部の田舎町に住む少年、ホーマーくんの日常に起きる冒険?の物語である。のんびりしているのは田舎町に住む人々であって、ホーマー君のことでは

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 A.A.ミルン「クマのプーさん」1926 は、息子のクリストファー・ロビンに、いつも離さないぬいぐるみのクマの話をせがまれたことで、始まった物語であり、ショボーとうってかわって、童話らしい童話である。その意味での古典であろう。最初に読んだのが確

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 レオポルド・ショボー「年をとったワニの話 ショボー氏とルノー君のお話集1」福音館文庫 には、表題作のほかに「ノコギリザメとトンカチザメの話」、「メンドリとアヒルの話」、「おとなしいカメの話」がはいっている。 ショボーは医者で、アルジェリア

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 夏目漱石「草枕」は、温泉に逗留している画家と那美さんとのロマンスというか、彼女の風変わりな行動に目がいって、芸術論のことはほとんど気にしていなかった。 「智に働けば角が立つ、情に竿させば流される、意地を通せば窮屈だ・・・」ということで、非

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 綿矢リサ「蹴りたい背中」は数年前芥川賞をとった小説で、高校の同級生たちになじめないヒロインと、同じく、ひとりぼっちで、のろまな感じのするお宅の男子生徒との、ある種友情を描いた物語である。 ヒロインは中学生の時に、スーパーのようなところで、

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 川上弘美「センセイの鞄」は、十代の時慕っていた先生と中年になって再会して、その恋人となったヒロインが、先生の死後に、先生がいつも持ち歩いていた鞄を形見分けにもらう。何があるのか読者としても期待するがしかし、中身はからっぽであり、それを知っ

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