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日記一覧
- ファンタジーの往還（１３） 動物キャラクターの擬人化
- 2012年09月28日13:55
斉藤惇夫「冒険者たちーガンバと１５ひきの仲間」岩波少年文庫1990（アリス館新牧社1972）は、地下の食糧庫をねぐらにしてのんびり暮らしていたドブネズミのガンバとマンプクが、港のネズミ集会に出かけ、島から助けを求めにやってきたネズミ忠太とともに島
- ファンタジーの往還（１２） ピーター・パンの出自
- 2012年09月28日11:36
松田義幸「ピーター・パンはセックス・シンボルだった ーなぜ、人は彼を愛しつづけるのかー」クレスト選書1996 は、ピーター・パンがギリシャ神話の好色な牧神パンをモデルにしていることを証明したものである。 著者は1939年生、実践女子大学教授でレジ
- 映像の向こう側（５２） 狐はペットにならない
- 2012年09月25日17:46
リラ１０歳と仲良くなった狐ティトゥ（あかちゃんの意とのこと） 豹？に襲われるティトゥ（リラの幻想？） リュック・ジャケ監督「きつねと私の１２カ月」フランス2007（ＮＨＫ ＢＳプレミアム放映） は、フランス・アルプスの麓の自然の中で、きつねの
- ファンタジーの往還（１１） 越境する児童文学
- 2012年09月25日14:41
本田和子「子どもという主題」大和書房1987 は、Ｃ.Ｓ.ルイス「ナルニア国」1950-56 や、エンデ「モモ」が哲学者、思想家や文学者に大人の文学として評価されたことをきっかけとして、子どもと大人の世界が相互侵犯するようになったと言う。もっとも、ポ
- ファンタジーの往還（１０） 日常世界と非日常世界
- 2012年09月22日15:04
上野瞭「現代の児童文学」中公新書1972 と、松田司郎「現代児童文学の世界」毎日選書1981 を併せて読んだ。 上野瞭は1928-2002、児童文学作家で同志社女子大学教授であった。 松田司郎は1942生で、宮沢賢治関係本多数、大阪国際大学教授であった。 こ
- ファンタジーの往還（９） 幸福の書き方
- 2012年09月20日11:23
清水真砂子「新装版 幸福の書き方」洋泉社1995（初版1992）は、児童文学とは何かを論じた六つの講演集からなる。そこでの中心はどのように幸福を描けばよいのか、ということである。 著者は1941年生で、児童文学の翻訳者、研究者で、青山学院短期大学教授
- 時代の中で（５８） ホームレス歌人の探索
- 2012年09月19日14:47
三山喬「ホームレス歌人のいた冬」東海教育研究所2011（東海大学「望星」2010.8-2011.4連載を全面改稿） は、2008年12月から09年９月まで朝日歌壇に投稿し掲載された住所ホームレスの公田耕一氏を、住んでいると思われる横浜市中区寿町を中心に探索したル
- ファンタジーの往還（８） 誰でも行ける別世界
- 2012年09月18日16:01
井辻朱美「魔法のほうき ファンタジーの癒し」廣済堂2003 は、場所と時間を視点としてファンタジー現象がどのように起きているかを論じたものである。 著者は1955生で、ファンタジー作家、翻訳者、歌人で白百合女子大学教授とのこと。 ファンタジーとは
- ファンタジーの往還（７） 児童書は大人の本に始まる
- 2012年09月17日18:14
ポール・アザール「本・子ども・大人」1932 紀伊国屋書店1957 は、子供のしつけを目的にした児童書から、その本の中に入り込み遊べる児童書へとどのように移行したかを論じたエッセイである。 著者は1878-1944年 に生きたフランスの著名な文学史研究者
- ファンタジーの往還（６） 日常の魔法の行方
- 2012年09月15日16:51
神宮輝夫「児童文学の中の子ども」ＮＨＫブックス1979 は、ファンタジーと児童像の変遷を論じたものである。ファンタジーは児童文学の中のジャンルで、児童像は全体の中でもので、バランスが取れていないし、筋がつかみにくいのだが、多分、別々での発表を
- 残暑の恨みと天敵について
- 2012年09月11日17:13
残暑は続くよどこまでも・・・しかし朝晩はしのぎやすくなった。 アサガオというと夏休みの印象だが、秋の季語らしく今頃になってあちこちで目立っている。 なかなか、利休のように一輪の美を捉えることはできない。 玄関に泥の巣を作っている。困る。うち
- 時代の中で（５７） 源氏物語の読者の謎
- 2012年09月08日12:55
残念ながら私は読者失格の門前払い組。ここでいうのは、作者・紫式部が誰を読者に想定していたか、という謎である。 藤本泉「歴史推理 王朝才女の謎 紫式部複数説」徳間文庫1986、同「源氏物語99の謎」徳間文庫1984（サンポウジャーナル1976）によれば、
- ファンタジーの往還（５） アリスのその後
- 2012年09月04日10:01
先にアンの項で、続編があるのは主人公のそうなる前や後を知りたいからだといったが、考えてみればそれだけではない。魅力ある主人公に関して別の解釈をしたくなることもあるようだ。 ティム・バートン監督「アリス・イン・ワンダーランド」2010（脚本リン
- 時代の中で（５６） 伝説作家の評伝
- 2012年09月02日13:05
黒古一夫「作家はこのように生まれ、大きくなったー大江健三郎伝説」河出書房新社2003 は、大江健三郎のエッセイや講演、それに高校時代の同級生が蒐集していた未刊資料などに基づいて彼の著作を論じた評伝である。先に見た柴田勝二や井口時男が、大江のア
- 時代の中で（５５） サルトルから遠く離れて
- 2012年09月01日13:01
柴田勝二「大江健三郎論 地上と彼岸」有精堂1992 は、大江健三郎と政治を考える上で興味深い論考であった。 �．汽襯肇襦嶝凖如廚函峪犲圓淋�り」の関係 「嘔吐」のロカンタンは存在の即自性に気付いたが、なお、社会への投企（政治参加）に進んでいな
