１．無名氏（詠み人知らず）
去者日以疎
来者日以親
（去るものは日々にうとし。人でもペットでも）
２．李白 蜀道難
劍閣崢��而崔嵬（けんかく そうこう として さいかい）
一夫當關萬夫莫開（一夫関に当たれば 万夫も開く莫し）
箱根八里 鳥居忱 滝廉太郎
箱根の山は天下の険 函谷関もものならず
万丈の山 千刃の谷
３．杜甫 春望
国破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
日本人の自然観に近いのでは。
芭蕉が奥の細道の旅立ちの時に千住から船で隅田川を渡る時
「行く春や鳥啼き魚の目は涙」
そして敗戦後もだが、革命家だけは元気だった。
４．杜牧
十年一たび覚む 揚州の夢
勝ち得たり 青楼薄倖の名
福沢は尾崎行雄（後に憲政の神様）に「道楽の発端有志と称す 馬鹿の骨頂議員となる 租先伝来の田を 売り尽くして 勝ち得たり 一年八百円」という詩を贈った。
５．勧酒 于武陵
君に勧む金屈巵
満酌辞するを須ひず
花発きて風雨多し
人生別離足る
井伏鱒二
コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
６．己亥歳 曹松
沢国江山入戦図
生民何計楽樵蘇
憑君莫話封侯事
一将功成万骨枯
沢国（たくこく）の江山（こうざん）戦図（せんと）に入る
生民（せいみん）何の計あってか樵蘇（しょうそ）を楽しまん
君に憑（よ）って話すこと莫（な）かれ封侯（ほうこう）の事
一将（いっしょう）功（こう）成（な）って万骨（ばんこつ）枯（か）る
７．蘇軾(蘇東坡) 「春夜」
春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈
（春の夜は、ひとときが千金にもあたいするのだ。
花は夜香をただよわせ、月はおぼろ、暗夜にかかる。
高殿の歌や楽の音も、今はひそと漏れ聞こゆるばかり。
中庭のブランコはぽつりと取り残され、夜が深々とふけていく）
恋人と一緒の時はロマンチックだが、一人の時もある。
黒沢明「生きる」のラストシーンが、余命を知って最後の仕事を終えた市役所の課長（志村喬）がブランコに乗って「命短し恋せよ乙女」を口ずさむ。
８．戴復古「江村晩眺」
江頭落日照平沙
潮退漁艠擱岸斜
白鳥一双臨水立
見人驚起入蘆花
（江頭の落日平沙を照らし
潮退きて漁船岸に擱いて斜めなり
白鳥一双水に臨んで立ち
人を見て驚き起ちて蘆花に入る）
下村湖人「次郎物語」で、朝倉先生の家で先生の父親から「白鳥蘆花に入る」絵を見せてもらう場面があった。先生の父は教育のあるべき姿だと言っていたが。
それだけでは「洗脳」も同じになる。やはり具体的な理由も一緒に説明すべきだろう。
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