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日記一覧

 ルイザ・メイ・オールコット(1832-1888)「若草物語」1868 は、マーチ家のメグ、ジョー、ベス、エイミの四姉妹の物語であるが、これと「赤毛のアン」で、ピューリタンの何たるかがよく分かる歴史小説でもある。父親のブロンソンの友人であったホーソン(1

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 昔読んだ作家たちへのインタビュー集の中だったと思うのだが、ある作家が、野間宏だったか、招集された時に「打たれた鹿は泣きに行け」というハムレットのセリフを座右の銘としたといっていた。 その時は、少し意外で、はて? という感じだったが、今、思

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 百人一首は承久の変の失敗で隠岐に流された後鳥羽院を偲ぶための歌集だとの説があるらしい。読んだことはないが、織田正吉「絢爛たる暗号」の主張だとのことである。 その目で1番と100番に注目してみよう。1番歌の天智天皇「秋の田のかりほの庵の苫を

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 長谷川三千子「神やぶれたまわず」中央公論新社2013 を書店で立ち読みした。折口信夫の「神やぶれたまう」の分析から、橋川文三、吉本隆明、太宰治、三島由紀夫などの敗戦の評価を取り上げて、最終章で昭和天皇の歌の分析で終わっている。 なにしろ立ち読

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 司馬遼太郎にエッセイ「明治という国家」がある。これは、明治日本を誇りとして描いているものだが、一方では、昭和時代に連続するものとは考えたくない、との怒りというかあきらめというべきか、そんな思いが背景にあってのことである。合理主義者とされる

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 今朝の名言巡礼は「正義の戦争よりも不正義の平和の方がまだましじゃ」であった。今村昌平監督の映画「黒い雨」1989年 で、友人や妻を原爆症で失い、姪も病床にある中で、朝鮮戦争を報じるラジオを聞いての主人閑馬重松の憤りとのことである。 ということ

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 暑さの加減か、何も読む気もしないし、思い出すこともない。仕方がないので、前に書いた国褒めの歌枕のことをもう一度書くことにする。    http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1898700631&owner_id=34218852 紀貫之の古今集仮名序では、柿本人麻呂が歌の

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犬も熱中症?
2013年08月15日08:23

 昨日は心配した。犬のリンが何も食べないのである。夫婦喧嘩以外は何でも食べる残飯処理係なのに。喧嘩すると、自分が叱られていると思うのだろう。ひっくり返って腹を出して降参するので、慰めてやらねばならないのである。  そもそも、昨日の朝、戸をあ

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 子規「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」はあまりにも有名で、芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」に匹敵するとウィキにあった。ところで、ウィキによれば「古池」句が有名になった理由として、子規は「ありふれた事象に妙味を見出した」ことで俳諧の歴史に一線を

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 続けて芭蕉であるが、「山路来て何やらゆかしすみれ草」がある。ネットによれば、「野ざらし紀行」で、京都から大津へ至る逢坂山越えの時に詠んだものという。これもプロの俳人が評価しているのをみたが、私にはそれだけのこととしか見えなかった。 ただ、

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 芭蕉に「行く春を近江の人とおしみけり」があって、プロの俳人が好きな句としてあげているのを見たことがある。私には、何がいいのかさっぱり分からないのである。それがどうした? 近江の人に特有の惜しみ方があるのか? 「去来抄」には、近江大津の芭蕉

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 日本にやって来たラフカディオ・ハーンが、松江中学に赴任する道中から民話や祭りや墓地など民俗の取材が始まる。正確に言えば来日したその日からだったが、なにしろ記者なので。汽車で行けるのは山陽線の駅までで、そこから人力車で中国山地を越え鳥取県か

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 李白が孟浩然を見送る有名な詩がある。「故人西の方黄鶴楼を辞し 煙花三月楊州にくだる 孤帆の遠影碧空に尽き ただ見る長江の天際に流るるを」この中の「煙花三月」や「孤帆の遠影碧空に尽き」などにしびれていたわけであるが、最初の「故人西の方黄鶴楼

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 百人一首97番歌の定家「こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身もこがれつつ」を、これを知った子供のころから、定家の視点の男歌と思い込んでいた。若いころは、こぬ人を・・・などと思ったこともあった。 しかし、考えてみれば平安期、

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