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日記一覧

●「夢も定かに」 澤田瞳子著 中央公論新社 13年版 1500円 時は神亀2年(725)、京の後宮でのこと。主人公の若子(18)は、采女(地方豪族の娘で、下級女官)として後宮に勤務することとなった。妹が采女となる予定だったのに、妹が近くの豪族の次男の子

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●「秋萩の散る」 澤田瞳子著 徳間書店 16年版 1500円 時は753年、孝謙天皇(阿倍女帝)の時代から始まる。本書では、女帝時代の遣唐使の経験者や大学寮の学生(10代)たちと政権中枢部での権力争いとの関係が描かれる。又、女帝晩年の10年間に寵愛され

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●「ニッポンは面白いか」 選書メチエ編集部編 講談社 02年版 1600円 日本在住の20人の外国人の、日本・日本人論が収められている。 「東京アンダーワールド体験記」は、赤羽で出会ったヤクザと親しくなった著者が、その後、ヤクザの取材をした体験記。

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●「青矢先輩と私の探偵部活動」 喜多喜久著 集英社文庫 20年版 690円 主人公は、中1の美玖。3年前に両親を交通事故で失い、母の母校である中学校に入学するため北海道から東京にやって来た。母は母校で探偵部に入り、あこがれの先輩である父と出会った

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●「稚児桜」 澤田瞳子著 淡交社 19年版 1700円 本書には、能の曲目を下敷きに書かれた8つの短編が収められている。題目の「稚児桜」(第3話)は、能の「花月」を下敷きにしたもの。ここでは、過酷な稚児(幼い時に人買いから寺に売られ、稚児すなわと僧

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読書紹介2260●「落花」
2023年01月19日13:13

●「落花」 澤田瞳子著 中央公論新社 19年版 1700円 本書のテーマは、平安時代の音楽。主人公の寛朝は当今(とうぎん・現在の天皇)の従兄である。父の敦実親王は、長子たる寛朝を厭い幼少時に仁和寺(祖父が天皇の時に創建)に遣った。その父は、天下

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●「漆花(しっか)ひとつ」 澤田瞳子著 講談社 22年版 1650円 本書には、平安時代末期の5つの話が収録されている。全体的には、平清盛の父・忠盛の時代から白河院に子飼いとして育て上げられた事情、清盛が上皇と天皇の双方から重んじられ出世の階(き

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●「龍華記」 澤田瞳子著 角川書店 18年版 1700円 本書のテーマは、1181年1月の南都(奈良)焼き討ちである。興福寺(藤原氏の氏寺)の悪僧(僧兵)範長が、本書の主人公。範長は幼い時に、摂関家(藤原氏)の氏の長者であった父の命で興福寺にやってき

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●「愚者の階梯」 松井今朝子著 集英社 22年版 1900円 本書の主人公・桜木治郎は、早稲田大学講師で江戸の狂言作家の末裔。祖父や父の代から木挽座(歌舞伎座がモデル)に入り浸りで育った関係から、様々な相談事を表方・裏方の人々から持ちかけられ、そ

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●「星落ちて、なお」 澤田瞳子著 文芸春秋 21年版 1700円 本書の主人公は、河鍋暁斎の娘・とよである。「星」とは暁斎のことで、「落ちて」とは死んだ後のこと。それでもなお、娘であるとよは暁斎の絵の軛(くびき)から逃れられない、という物語。 河

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