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日記一覧

●「黄金夜界」 橋本治著 中央公論新社 19年版 1700円 読んでいて、人の世の哀しさが身に滲みる本であった。本書は、尾崎紅葉の「金色夜叉」のオマージュで、登場人物名もすべてそのまま。時代が、現在となっている。 間貫一は両親を亡くし、父の親友・

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●「この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた」 ルイス。ダートネル著 河出書房新社 15年版 2300円 猛毒のトリインフルエンザが人から人へと感染し、この世界の文明が消滅した(核による消滅ではない)。残されたインフラ(鉄道、道路、橋、電気等)

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●「きいろいゾウ」 西加奈子著 小学館文庫 08年版 657円 各章の初めに、絵本「きいろいゾウ」の逸話を挟んで、都会から田舎にやってきた新婚のムコさんとツマさんの物語。 ツマは、周囲の生き物や花や木などの声が聴こえてしまう。そして黄色いゾウに

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●「退職刑事」 都筑道夫著 徳間書店 80年版 680円 安楽椅子に坐ったまま、事件の謎解きをする系列の物語。西澤保彦氏の小説(腕貫探偵シリーズ)で、都筑氏の小説を継いでいるといっていたので読んだ本。本書は、退職刑事(恍惚刑事)とその末息子の五

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●「腕貫(うでぬき)探偵残業中」 西澤保彦著 実業之日本社 12年版 600円 腕貫探偵シリーズの2。腕貫とは、昔の市の職員などが袖を汚さぬようにと両腕に嵌めていた布のこと。本編の主人公は、市役所の一般苦情係の職員。まるで、病み上がりの葬儀社の職

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●「動機、そして沈黙」 西澤保彦著 中央公論新社 09年版 1700円 前回の「完全無欠の名探偵」が面白かったので読んだ本。短編集で、6つのホラーもどきの物語が収められている。表題の「動機、そして沈黙」は、刑事の主人公とその妻が、妻の母の葬式が終

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●「ふくわらい」 西加奈子著 朝日新聞出版 12年版 1500円 一読して、著者がこんなに面白い本を書くのかと喜んだ本。主人公は、25歳の定(さだ)。出版社の編集者をしている。担当の作家さんに、どんな無理難題をいわれても「もっともです」と全力でサポ

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●「狐官女」 澤田ふじ子著 光文社 05年版 1600円 土御門家陰陽事件簿シリーズの1冊。江戸時代、手相見・人相見、易者、占い師などを総称して陰陽師といわれた。かれらは江戸幕府から朱印状によって全国支配を許された土御門家に属し、同家から給される

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●「完全無欠の名探偵」 西澤保彦著 講談社 95年版 840円 主人公は、20代の青年・山吹みはる。白鹿毛グループの警備会社の警備員をしている。ところが、白鹿毛グループの総帥・源衛門の孫・りんが、高知大学を卒業して東京に戻ってくると思っていたとこ

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