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日記一覧

●「リーチ先生」 原田マハ著 集英社 16年版 1800円 本書は、陶芸家の芸術に対する情熱溢れる物語。リーチは、濱田庄司、河井寛次郎と共に、人間国宝となった人物。1909(明治42)年、リーチは1枚の紙を持って日本の地に降り立った。ここから、物語が動

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●「ていん島の記」 仁木英之著 講談社 19年版 1550円 ていん島とは、奄美大島の神代の時代の呼び名。その当時は、外界と隔絶した天空に浮かぶ島だった。雲海に囲まれ、島には天人と山人と川人がいて、互いに交流を禁じられていた。 本書は、この天・山

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●「あおい」 西加奈子著 小学館 04年版 1200円 「サラバ!」を読んで、著者に惚れ込んでしまった。本書は、著者の処女作である。 主人公のさちこ(27歳)は、出版社でアルバイトをしていた。恋人は、年下の学生カザマ君。カザマ君は、アルバイト先の先

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●「他者と死者ーーラカンによるレヴィナス」 内田樹著 海鳥社 04年版 2500円 難解なレヴィナスの思想を、同じく難解なラカンの思想と対比させて読み解くという著者が試みた本。2人は理由(自分の著書が誤解されないように)があってわざと難解に書いて

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●「マティーニに懺悔を」 今野敏著 ハルキ文庫 01年版 686円 富士見が丘のあるバーに、夜な夜な集まる男たちのもとに、事件が持ち込まれる。それを、主人公の茶道の師匠(30歳)が解決する、というパターン化した8話もの。バーには、イエスズ会のベン

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●「いのち愛(め)づる生命誌(バイオヒストリー)」 中村桂子著 藤原書店 17年版 2600円 副題が、「38億年から学ぶ新しい知の探究」である。つまり、生命誕生から今日の人間に至るまでのヒストリーが書かれている本。著者は理学博士で、「JT生命誌研究

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●「サラバ! 上・下」 西加奈子著 小学館 14年版 各1600円 本書は、主人公の歩(あゆむ)が産まれた時のことから、37歳で小説家を志すまでの、家族のこと、友人のことを、心の襞に沁みるように描いた本。 歩が産まれたのは、イランの高度医療の病院。

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