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日記一覧

●「馬琴綺伝」 小谷野敦著 河出書房新社 14年版 1900円 比較文学者兼作家が書いた、滝沢馬琴伝。小説風に書いた、評伝でもある。種本は馬琴の日記だが、主に馬琴の最高傑作「南総里見八犬伝」に隠された、馬琴の想いを明らかにしている。 馬琴は貧乏武

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読書紹介1944●「山嵐」
2020年07月26日11:32

●「山嵐」 今野敏著 集英社文庫 03年版 600円 小説「姿三四郎」のモデル、西郷四郎の物語。明治初年、会津の地から上京してきた四郎は、小兵ながらその天賦の才を講道館の嘉納治五郎に見出された。その時、四郎は17歳。嘉納は9歳上の26歳で、東大の学生

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●「サーベル警視庁」 今野敏著 角川春樹事務所 18年版 640円 時代は、明治38年。日露戦争の最中に、警視庁第1部第1課に殺人の知らせが入る。殺されたのは、帝国大学講師・高島。高島は急進派で、日本古来の文化の排斥論者として「日本語もやめドイツ語

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●「蓬莱」 今野敏著 講談社文庫 97年版 657円 ゲームソフト「蓬莱」を開発した渡瀬の会社は、パソコン版に続きスーパーファミコン版を計画した。しかしそれが、暴力団による「販売中止」の恫喝に晒される。バーで酒を飲んでいた渡瀬は、外に呼び出され

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●「赤い密約」 今野敏著 徳間文庫 17年版 640円 本書は、1993年のモスクワで実際におこった「10月政変」での、テレビ局占拠事件をもとにした小説。主人公の空手家・仙堂は、空手の指導でモスクワをおとづれていた。テレビ局の取材に応じるために局に来

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●「エウスカディ 下」 馳星周著 角川書店 10年版 1800円 テロ集団だったETAは、独裁者フランコの死後こまかく分裂した。フランコの後継者が、バスクの自治を認めたからだ。一方は、合法かして国会に議員を出している。他方では、いまだにテロ行為を続

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●「エウスカディ 上」 馳星周著 角川書店 10年版 1800円 エウスカディとは、バスク語で「バスク人」のこと。舞台はスペインのバスク地方。1971年と2005年の物語を交互に描いた小説。1971年のスペインに降り立ったのは、日本赤軍の活動家・吉岡。パレス

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●「炎帝 花山」 萩耿介著 日本経済新聞出版社 09年版 1900円 西暦969年〜1002年の物語。第65代帝・花山の生涯を描いた本。父は、第63代帝・冷泉である。冷泉は、物狂いの帝といわれた。正気と狂気が交互に立ち現われていて、花山は「あの冷泉の子」と

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