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日記一覧

●「やみとり屋」 多田容子著 講談社 01年版 1700円 「言部流」舌法というのが、本書のテーマ。時は5代将軍綱吉の時代。「生類憐みの令」が支配的な時世であった。主人公の春之介は、ヤミで「鳥肉」を喰わせる店を開いている。時代へのちょっとした反逆

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●「ブラック オア ホワイト」 浅田次郎著 新潮社 15年版 1500円 本書は、引退した商社マンの旅先での不思議な夢の話。主人公の都築君は、3代つづく商社マンである。祖父は南満州鉄道の理事を務め、戦後に商社に招かれた傑物であった。父は養子で、祖

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●「柳生平定記」 多田容子著 集英社 06年版 1900円 柳生十兵衛シリーズ第4弾。今回は、島原の乱のこと。十兵衛は里忍の手引で長崎のキリスタンの中に潜り込む。彼の任務は、キリスタンの撲滅である。しかしキリスタンの中に潜り込んだ十兵衛は、キリス

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●「柳生双剣士」 多田容子著 講談社 06年版 1700円 柳生十兵衛シリーズ第3弾。今回は、佐賀に柳生十兵衛三厳とそっくりな男が柳生流門下にいて、藩主からその腕を愛され「十兵衛元厳」という名まで授かっていた。藩主・鍋島元茂公は、江戸で宗矩や十兵

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●「月下妙剣」 多田容子著 講談社 05年版 1800円 柳生十兵衛シリーズ第2弾。本書では、20歳の十兵衛が9歳の牛之介を身の回りの世話人として弟子にする話。2人は、忍術の走法を忍者を師にして学ぶことに。牛之介は、幼い頃より走ることが得意で負けたこ

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●「武術の創造力ーー技の術理から道具まで」 甲野善紀or多田容子著 PHP 03年版 1500円 本書は、甲野氏と多田氏の対談集。聞き手が多田氏で、甲野氏から次々と貴重な話を聞き出すのだが、本を纏めるにあたってかなり割愛しているようであった。技の術

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読書紹介1414・「双眼」
2015年06月15日14:02

●「双眼」 多田容子著 講談社  99年版 1800円 本書は、多田氏のデビュー作。柳生十兵衛シリーズ第1弾である。本書では、十兵衛の眼のことを扱っている。 幼少の時、十兵衛は右目と左目で別々なものを見ていた。正面から見ると2重に見えてしまうため、

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●「諸刃の燕」 多田容子著 集英社文庫  12年版 750円 図書館にあった多田氏の1番新しい本。兵法の極意とは、己の欲望に執着しないことである。己の死にも執着しない。執着すると、身体が居着いてしまうのだ。 主人公の準四郎は、祖父に育てられた。母

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●「柳影(やなぎかげ)」 多田容子著 講談社文庫  03年版 590円 徳川4代将軍家綱の時代。江戸で若い男10数人が、次々と行方をくらます事件が発生。「神隠し」である。町奉行をして、匙を投げしめた事件である。この事件の責任をとって、町奉行が辞職す

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●「自分を生かす古武術の心得」 多田容子著 集英社新書  08年版 700円 古武術に関心があったので、読んだ本。多田氏の作品は初めて読んだ。多田氏は、71年生まれの時代小説作家。居合道、柳生新陰流、手裏剣術という古武道を学んでいる。本書では、手裏

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●「ツングース特命隊」 山田正紀著 角川春樹事務所  99年版 780円 1908年の、中央シベリアの奥地ツングースで起きた謎の大爆発の原因調査を命じられた、主人公・武藤淳平の辺境冒険小説である。武藤は、元日本軍謀略戦の総帥・明石大佐の部下で、任務で

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●「劉邦 上」 宮城谷昌光著 毎日新聞出版  15年版 1600円 秦の末期、沛県の帝長(下級官吏、門番の責任者)だった劉邦は、始皇帝陵完成のため80人の人夫を率いて沛県を発ったが、途中で30人が逃亡したため人夫を故郷に帰らせた。その言い訳として、「

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●「殺人契約ーー殺屋・貴志」 山田正紀著 光文社文庫  84年版 340円 これまでの山田作品にはめずらしく、80年代日本でのプロの殺し屋の物語。ここでは、殺し屋の習性がリアルに描かれる。その場の雰囲気にすぐ溶け込んで目立たない技術や、住居にする場

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●「電脳少女ーーアイドロイド・ユイ」 山田正紀著 光風社 93年版 780円 山田という作家は、よほど脳のことに関心があるようだ。本書では、近未来都市・東京で麻薬テク組織壊滅に乗り出している、電脳少女ユイが主人公である。ユイは一度死んでいた。それ

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