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日記一覧

●「暗闇のアリア」 真保祐一著 角川書店 17年版 1600円 本書のテーマは、日本の自殺者の数である。ピーク時で年間3万人超で、1日約82人が死んでいる。今なお2万人超の自殺者がいる。本書は、自殺に見せかけて命を絶つ殺人鬼を追いかける小説。 ある日

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●「馬上の星ーー小説・馬援伝」 宮城谷昌光著 中央公論新社 22年版 1800円 馬援とは、後漢(紀元25〜220年)を起ち上げた劉秀に見出されて活躍した人物。もともと馬家は、前漢王朝によって連座の罪で庶民にされた一族。だから、漢王朝のシステムに非難

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読書紹介2272●「若冲」
2023年02月25日12:52

●「若冲」 澤田瞳子著 文春文庫 17年版 700円 京の錦高倉市場の大店・枡源の主・伊藤若冲は、絵に没頭するあまり家業をないがしろにし、そのため妻を追い詰めた。妻は自殺し、若冲はますます絵に没頭する。若冲にとって絵とは、自らの罪の権化となった

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●「プリンセス刑事3」 喜多喜久著 文春文庫 21年版 750円 女王が統治する国・日本の、王位継承権5位の日奈子は、王族としての使命感から国家公務員の刑事となる。その根本にあるのは、「国民を安心させたい」というもの。そこで設けられた部署が、警視

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●「名残の花」 澤田瞳子著 新潮社 19年版 1650円 本書の主人公は、鳥居甲斐守忠耀(77)である。北町奉行として辣腕を発揮(庶民を弾圧)し「妖怪」と恐れられたが、突然に奉行を解任され、家禄没収改易の上、秋田藩など各藩の元に預け替えられること27

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●「腐れ梅」 澤田瞳子著 集英社 17年版 1700円 平将門の乱(903)の2年後、この当時、諸国では旱魃と飢饉、兵乱が相次いでいた。主人公の綾児(20代後半)は、2歳上の阿鳥から「元右大臣の菅原道真公を祀る社を創ろう」と持ちかけられることから、話が

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●「異文化はおもしろい」 選書メチエ編集部編 講談社 01年版 1500円 本書は、21人(内20人は日本人)の異文化体験談が綴られている。おもしろかったのは、「超ロシカルな人々の国インド」(宮元啓一)。インドでは、「ありがとう」と言うのを嫌うという

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●「動機探偵2ーー名村詩朗の洞察」 喜多喜久著 双葉文庫 21年版 650円 人の行動の背景にある動機を解き明かし、心の動きを人工知能(AI)に学習させることで、AIを進化させる研究をしている名村詩朗准教授。特任助手の若葉は、その調査員として謎の関係

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●「動機探偵」 喜多喜久著 双葉文庫 20年版 650円 主人公の若葉(24)は、求人広告のあった池袋の令王大学の事務員の面接に赴いた。応対にでたのは、人工知能研究の天才研究者・名村准教授(30代後半)だった。彼は人工知能の改良のために、たくさんの

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