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日記一覧

●「本当はこんなに面白い『おくのほそ道』」 安田登著 実業之日本社 14年版 762円 本書は、「おくのほそ道」の前半・深川から平泉までの芭蕉の旅を辿っている。「おくのほそ道」は芭蕉の虚構の旅の記録(真実を描いていない)であるが、平泉までの旅で

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●「あわいの時代の『論語』」 安田登著 春秋社 17年版 1800円 安田版「論語」が好きである。論語は、孔子の言葉をあとの時代に文字にしたものだが、著者はこの文字を「孔子が生きていた時代に存在していた文字」に直してみせてくれる。すると、意味がガ

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●「養老孟司の」 養老孟司著 PHP新書 03年版 680円 本書のテーマは教育。小学校入学以来、そのほとんどを学校(最後は東大教授)で過ごしてきた著者の、「素人の教育談義」とのこと。 本書では、脳化社会(都市化)と身体(自然)の関係について論じて

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●「さらばスペインの日日 上・下」 逢坂剛著 講談社文庫 16年版 800or780円 本書は、1997年から始まったイベリア・シリーズの第7巻・完結編である。本書のテーマは、第2次世界大戦時にローロッパで日本人がどう戦ったか、あるいは戦わなかったかを描い

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●「無思想の発見」 養老孟司著 ちくま新書 05年版 720円 日本人の思想は、「無思想の思想」だと著者はいう。数字でいう「ゼロ」である。「ない」のだけれども「ある」、というもの。日本人の思想・宗教を論じる論者は多くいるが、その1つに「日本教」と

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●「あわいの力」 安田登著 ミシマ社 14年版 1700円 「あわい」とは、異界と現実界、時間と空間、あっちとこっちの中間にあって、両者を媒介する位置のこと。つまり、著者が務める能楽の「ワキ」の役目こそが、この媒介者なのである。 本書の副題は「『

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●「不思議の国のジャパニーズ」 片野優or須貝典子著 宝島社 17年版 1200円 前著「日本人になりたいヨーロッパ人」に続く本。今回は、欧州滞在25年(主に東欧)の著者たちが、日本を訪問したヨーロッパ人を取材して書いた本。 第1章は、ユーゴスラビア

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●「小説 日本博物館事始め」 西山ガラシャ著 日本経済新聞出版社 17年版 1600円 明治15年に、上野に博物館と動物園が開館(開園)されるが、本書は博物館の初代館長・町田久成が主人公である。 久成は、幕末に薩摩藩主から英国留学を命じられ、欧州に

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●「養老孟司ガクモンの壁」 養老孟司著 日経ビジネス人文庫 03年版 648円 本書は、14人の若手の研究者との対談集である。全体を通じてのテーマは、「脳」であった。近年の脳科学の大きな進展に伴い、本書ではあらゆる角度からの脳の不思議が語られてい

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●「果てしなき追跡 第1部」 逢坂剛著 中央公論新社 17年版 1900円 本書は、土方歳三が五稜郭で戦死していなくて、アメリカに密航したという物語。歳三は、五稜郭の戦いで新政府軍の銃弾を頭に受け意識不明になった。部下である時枝新一郎が米商船セン

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●「万葉恋づくし」 梓澤要著 新潮社 17年版 1600円 主人公は、万葉集の編纂者の1人である大伴家持(717〜785)である。本書では、各章(7章)の冒頭に万葉集の歌を紹介し、その歌にまつわる恋の物語が描かれる。 第1章は、家持が越中に国守(くにのか

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