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日記一覧

●「母の待つ里」 浅田次郎著 新潮社 22年版 1600円 とても奇妙な小説である。世界最大の会員数を誇るユナイテットカードの、その会員から厳選された人に「ホームタウン・サービス」(田舎体験サービス)の案内が送られてきた。 本書では、このサービス

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●「政略結婚」 高殿円著 角川書店 17年版 1500円 江戸、明治、昭和の3人の姫様の物語。伝統ある家を次代につなげるために、結婚や養子縁組をすすめるのは、「お袋さま」と呼ばれる正妻が担っていた。なにも知らない姫が、正妻となりその役割に気づき、

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●「臨床法医学者・真壁天」 高野結史著 宝島社 21年版 792円 本書は、著者のデビュー作。副題は「秘密基地の首吊り死体」、函館医大の法医学教室の助教・真壁は、「臨床法医」の鑑定を押しつけられて腐っていた。法医学者というと、殺人の疑いのある遺

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●「少女を埋める」 桜庭一樹著 文芸春秋 22年版 1500円 本書は、著者の闘いの書である。何と闘うのか・・・。 その前に題名のことである。著者の故郷は鳥取県である。鳥取に、例えば「猿土手橋」というのがある。これは昔、土手が氾濫したので村人が「

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●「上流階級3ーー富久丸百貨店外商部」 高殿円著 小学館文庫 21年版 720円 百貨店の外商部は、主に富裕層のイベントに係わる仕事をする。イベントとは、人生である。その人の人生に恩を売れば、半永久的にイベントが発生し、それに対して買い物がある。

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●「堂島物語4−ー背水篇」 富樫倫太郎著 中公文庫 11年版 648円 「大豊作か大凶作か」と悩み、取引をしなくなった吉左衛門。「それなら、稲作の状況を自分の目で見て来ては」と言われ、西国に旅に出た吉左衛門。西国で見たものは、稲を食い尽くす蝗の大

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●「早雲の軍配者 上」 富樫倫太郎著 中公文庫 13年版 590円 風摩小太郎の若き日の物語。北條早雲は、小田原城を獲り西相模を支配下に。小田原城は嫡男の氏綱に譲り、早雲は隠居して伊豆の韮山城に引き籠もった。その韮山の寺で、寺の下働きをしていた

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●「堂島物語3ーー立志篇」 富樫倫太郎著 中公文庫 11年版 648円 米仲買人としてスタートした吉左衛門だが、依然として1人でつめかえしをする日々。その吉左衛門に、「金を預けたい」という人々が親しい人の紹介で増え続ける。金が集まれば、大きな仕

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●「堂島物語2ーー青雲篇」 富樫倫太郎著 中公文庫 11年版 667円 奉公先の山代屋の先代・月照に教えられて始めた先物取引(つめかえし)で、吉左は評判となる。つめかえしは、米問屋の丁稚なら誰でも腕試しにやるものだ。そのうめかえしで、吉左は儲け

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●「堂島物語1ーー曙光篇」 富樫倫太郎著 中公文庫 11年版 667円 1722(享保7)年、主人公の吉左16歳は自殺しようとしていた。吉左は、大坂に近い村の貧農の1人息子。8歳の時に母を失った。1年も経たずに継母が家に入った。吉左はこの継母と折り合

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●「北条早雲2ーー悪人覚醒篇」 富樫倫太郎著 中央公論新社 14年版 1500円 2巻のクライマックスは、早雲が伊豆の大名となること。1巻で、駿河の東方・駿東地域の城持ちとなった(今川の家臣となった)早雲。早速、農民の税の公平と税率を「四公六民」と

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●「北条早雲1ーー青雲飛翔篇」 富樫倫太郎著 中央公論新社 13年版 1500円 北条早雲は、戦国三悪人の1人。あと2人は、斎藤道三と松永久秀である。下克上の権化と呼ばれる男たちだ。 1巻では、幼年時代を備中国(岡山県)で育ち、元服後に京都に上が

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●「天網恢々ーーお噺奉行清談控」 林望著 光文社 11年版 1600円 主人公は、江戸南町奉行の根岸。彼の自宅で、面白い噺を拾い集めてくる者(人相見の栗原、薬売りの銀次、元掏摸の名手こと河童の平六など)を呼び、町で聞き込んだ悪事や奇妙な出来事を聞

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読書紹介2154●「和僑」
2022年03月02日14:02

●「和僑」 楡周平著 祥伝社 15年版 1600円 華僑といえば、中国本土を離れ世界中で活躍する中国人商人のこと。和僑、その日本人版。本書は、少子高齢化で地方が寂れていくなかで、「地方再生」に奮闘する東北の「緑原町」の町長・山崎(60代)の物語。 

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