mixiユーザー(id:2810648)

日記一覧

●「金春屋ゴメス」 西條奈加著 新潮社 05年版 1400円 本書は、とても奇妙な本であった。日本の中に、「江戸」という独立国(千葉・埼玉から東北にかけての一部が領土、という設定)が生まれる。江戸は、一応日本の属国となっているが、独立国として鎖国

続きを読む

●「湖中の女」 レイモンド・チャンドラー著 早川書房 86年版 640円 マーロウシリーズの4冊目。原書は1943年出版で、戦時中のアメリカの雰囲気が色濃く出ている小説。例としては、マーロウが悪徳警官に暴力を振るわれた後、残った若い警官に注意をすると

続きを読む

●「リトル・シスター」 レイモンド・チャンドラー著 早川書房 12年版 960円 マーロウのシリーズ5冊目。原所は1949年出版で、ここからは戦後の本となる。4冊目を飛ばして5冊目を先に読んだのは、村上春樹訳の4冊目「湖中の女」がまだ出ていないからだ。

続きを読む

●「ヤマンタカーー大菩薩峠血風録」 夢枕獏著 角川書店 16年版 1800円 本書は剣豪小説である。主人公は、机竜之介と同時代の土方歳三である。主な舞台は御岳山のある武蔵御嶽神社(現在の東京都青梅市)で、4年に1度おこなわれる奉納試合の場である。 

続きを読む

●「湖底の城ーー呉越春秋6巻」 宮城谷昌光著 講談社 15年版 1600円 范れいが主人公の7巻を先に読んでしまったが、本書は6巻である。主人公は伍子胥で、楚の平王に父と兄を殺され、その復讐を誓って吾に亡命した人物。6巻では、いよいよ楚の王都を攻めの

続きを読む

●「高い窓」レイモンド・チャンドラー著 早川書房 14年版 2000円 マーロウシリーズ第3冊目。原書は、1942年で、アメリカ軍は、ドイツ軍との戦闘に突入した時期である。本書ではこれといったアクションはないが、ミステリーとしてはめずらしく一貫性があ

続きを読む

読書紹介1596・「受難」
2016年12月07日12:48

●「受難」帚木蓬生著 角川書店 16年版 1800円 本書の主人公は、ES細胞とiPS細胞をもとに蘇った高2の春花(ユンファ)である。テーマは2014年韓国フェリー(本書では世月号)転覆事故で、救助の不手際で乗客の2割しか助からず、わけても済州島に修学旅行

続きを読む

●「ヒポクラテスの憂鬱」 中山七里著 祥伝社 16年版 1600円 法医学教室のヒポクラテスシリーズの2冊目。 埼玉県内の死亡事故について、県警のホームページに「コレクター」と名乗る者の書き込みが現れる。病死や事故、自殺で処理されたものに対する疑

続きを読む