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日記一覧
- 読書紹介2255●「商う狼ーー江戸商人・杉本茂十郎」
- 2022年12月29日14:43
●「商う狼ーー江戸商人・杉本茂十郎」 永井紗弥子著 新潮社 20年版 1700円 本書は、文化4年（1807）の永代橋崩落事故を発端にした小説である。この事故は、死傷者・行方不明者1400を超える大惨事であった。主人公の茂十郎は、この事故で妻子を失うこと
- 読書紹介2254●「旅たち寿（ことほ）ぎ申し候」
- 2022年12月24日12:40
●「旅たち寿（ことほ）ぎ申し候」 永井紗弥子著 幻冬舎 12年版 1600円 本書は、改題して「福を届ける」となっていた。日本橋の紙問屋・永岡屋に、10歳で丁稚奉公にあがった勘七。20歳になって、幼馴染み（寺子屋で一緒）の直次郎の初めての登城を影なが
- 読書紹介2253●「日輪の賦」
- 2022年12月21日12:08
●「日輪の賦」 澤田瞳子著 幻冬舎 13年版 1800円 本書は、持統天皇が推し進める律令編纂事業とその意義、更にこれに反対する豪族の代表（右大臣などの太政官の面々）との闘いを描いた本。狂言回しは、紀伊の地方豪族の次男で京（みやこ）の大舎人として
- 読書紹介2252●「公孫龍ーー青龍篇 巻二」
- 2022年12月19日09:43
●「公孫龍ーー青龍篇 巻二」 宮城谷昌光著 新潮社 22年版 1700円 中国・春秋戦国時代。周王朝（前11世紀〜前256年）の王子の身分を捨て姿を消した（死んだことに）青年が、公孫龍と名乗り再び激動の時代に現れる。龍は商人として生きる決意をしたのだ
- 読書紹介2251●「月人壮士（つきひとおとこ）」
- 2022年12月19日08:50
●「月人壮士（つきひとおとこ）」 澤田瞳子著 中央公論新社 19年版 1700円 上皇・聖武天皇が「皇太子は道祖王に」（孝謙天皇の時）との遺言をして死んだが、これに納得できない者がいた。前の左大臣・橘諸兄である。諸兄は、聖武の末期の「遺詔」がある
- 読書紹介2250●「人類史にかがやく古代都市はなぜ消滅したか」
- 2022年12月13日13:08
●「人類史にかがやく古代都市はなぜ消滅したか」 アナリー・ニューイッツ著 青土社 22年版 2800円 本書には、�〜�7500年という世界最古の原始都市遺跡、チャタル・ヒュユク（トルコ）、�∪称�79年のボンペイ（イタリア）、��9世紀初頭のアンコール（カ
- 読書紹介2249●「玉村警部補の災難」
- 2022年12月07日12:29
●「玉村警部補の災難」 海堂尊著 宝島社 12年版 1524円 本書は、著者のメディカル・エンターテイメント・シリーズの1つで、登場人物は「チーム・バチスタの栄光」など（ドラマ化）に登場した、横紙破りで横柄なエリートたち。 本書の主人公は、警察庁
- 読書紹介2248●「香君ーー下・遥かな道」
- 2022年12月04日12:43
●「香君ーー下・遥かな道」 上橋菜穂子著 文芸春秋 22年版 1700円 帝国から不当な扱いを受けたオゴグ藩王国は、密かにオアレ稲の改良を行っていた。それは、海辺では育たないといわれたオアレ稲の零れた種から、天然に近い稲が島の中に生えたからだ。最
- 読書紹介2247●「香君ーー上・西から来た少女」
- 2022年12月03日13:09
●「香君ーー上・西から来た少女」 上橋菜穂子著 文芸春秋 22年版 1700円 本書は、オアレ稲という奇跡の稲ーーどんな荒地でも育ち虫がつかない稲ーーによって、武力によらないで帝国を築かれたが、この稲に虫害が発生して帝国に危機が訪れるという物語。
- 読書紹介2246●「おれは伊平次」
- 2022年12月01日12:45
●「おれは伊平次」 神坂次郎著 講談社文庫 02年版 明治元年に、島原に生まれた村岡伊平次。父は、明治の世で弁護士をしていたが、伊平次９歳のときに亡くなった。以来、家を出て仔馬の追い立て仕事をしていた17歳の時、暴漢に襲われていた15歳の娘を助
- 読書紹介2245●「天鼓鳴りやまずーー北畠道龍お生涯」
- 2022年11月30日13:03
●「天鼓鳴りやまずーー北畠道龍お生涯」 神坂次郎著 中央公論社 89年版 1350円 本書は、紀州・和歌山の浄土真宗・法福寺住職の嫡男として1820年に生まれた道龍の波乱に満ちた物語。北畠家の遠祖は、南北朝の忠臣として有名である。 道龍は幼くして文武
- 読書紹介2244●「レヴィナスの時間論ーー『時間と他者』を読む」
- 2022年11月20日12:56
●「レヴィナスの時間論ーー『時間と他者』を読む」 内田樹著 新教出版社 22年版 2600円 本書は、1947年の「時間と他者」というレヴィナスの4回にわたる講演（テキスト90頁）を、著者がどう読んだかを記した本。 レヴィナスは、リトアニア生まれのユダ
- 読書紹介2243●「走れ乗合馬車（オムンボス）」
- 2022年11月16日13:49
●「走れ乗合馬車（オムンボス）」 神坂次郎著 朝日新聞社 89年版 1100円 副題は「由良守応（もりまさ）の生涯」である。紀伊国の守応の青春は、ペリーの艦隊が来航した瞬間から一変する。単純で勁烈すぎるほどの行動から、尊王攘夷派の壮士となっていく
- 読書紹介2242●「天下一統ーー始皇帝の永遠」
- 2022年11月12日15:09
●「天下一統ーー始皇帝の永遠」 小前亮著 講談社 16年版 1800円 数多く書かれた始皇帝物語の1つ。本書では、聡明だが自己評価の低い少年であった正（後の始皇帝）が、13歳で秦王になったこと。これは、呂不韋の力によるものであった。呂不韋は元富裕な
- 読書紹介2241●「中学生から知りたい ウクライナのこと」
- 2022年11月06日09:31
●「中学生から知りたい ウクライナのこと」 小山哲・藤原辰史著 ミシマ社 22年版 1760円 ロシアのウクライナ侵略直後に出版された本。2人とも京大の歴史学者で、小山はポーランド史を、藤原はドイツを中心にした歴史家である。 本書ではウクライナの
- 読書紹介2240●「連続殺人鬼カエル男ふたたび」
- 2022年11月06日09:14
●「連続殺人鬼カエル男ふたたび」 中山七里著 宝島社 18年版 1500円 シリーズ1で、「カエル男」にされた当真（自分がカエル男だと信じていた）は、実際には保護司である有働さゆり（ピアニストで、当真に音楽療法を施していた）が当真の日記（幼児にカ
- 読書紹介2239●「猫男爵」
- 2022年11月02日13:31
●「猫男爵」 神坂次郎著 小学館 02年版 1500円 本書の主人公は、幕末に21代新田満次郎を襲名した新田俊純である。俊純の遠祖は清和源氏の嫡流で、鎌倉幕府が源頼朝の血流が絶え北條氏が支配していたものを、後醍醐天皇の忠臣として北條氏を滅ぼした（鎌
- 読書紹介2238●「天馬空をゆく」
- 2022年10月29日13:02
●「天馬空をゆく」 神坂次郎著 小学館文庫 99年版 533円 本書は、江戸時代後半を生きた横井金谷（きんこく）の一代記。実在のお坊さんである。近江国に生まれ（1761）た金谷は、乱暴者のため親戚筋の大坂の寺に預けられた。しかしそこでも、血気盛んで
- 読書紹介2237●「漂民ダンケッチンの生涯」
- 2022年10月27日13:09
●「漂民ダンケッチンの生涯」 神坂次郎著 文芸春秋 06年版 1900円 ダンケッチンの本名は、保田伝吉。後年、英国駐日総領事オールコックの通弁となり、尊王攘夷のサムライに暗殺される。ダンケッチンは、伝吉の英国訛りである。その伝吉は、紀州藩の村医
- 読書紹介2236●「鑑定人 氏家京太郎」
- 2022年10月21日13:13
●「鑑定人 氏家京太郎」 中山七里著 双葉社 22年版 1600円 鑑定人氏家は、著者の小説でたびたび脇役として登場していた。今回は、主役に昇格しての登場である。今回のテーマは、科捜研の鑑定の無謬性という神話に立ち向かうことであった。 氏家は、警
- 読書紹介2235●「花散る里の病棟」
- 2022年10月15日12:31
●「花散る里の病棟」 帚木蓬生著 新潮社 22年版 1800円 福岡県の町医者・野北家の4代にわたる物語。主人公は3代目で、父が復員してからの子。現在、内科医院に介護老人保健施設（老健）を、また特別養護老人ホーム（介護老人福祉施設）を1億円強をかけ
- 読書紹介2234●「男いっぴき物語」
- 2022年10月10日12:27
●「男いっぴき物語」 神坂次郎著 新潮文庫 90年版 640円 著者は和歌山の人である。本書の主人公・川端浅吉も同郷の人で、実在の人物。明治、大正、昭和と3代の艶道修行という風雪をくぐりぬけ、底ぬけに陽気で奇天烈な行状をくりひろげた人物。その彼が
- 読書紹介2233●「元禄御畳奉行の日記ーー尾張藩士の見た浮世」
- 2022年10月08日12:37
●「元禄御畳奉行の日記ーー尾張藩士の見た浮世」 神坂次郎著 中公文庫 84年版 480円 本書は、「元禄サラリーマン行状記」としてドラマ化された。本書では、朝日文左衛門という100石取りの武士が、18歳から26年間の8863日間書き続けた日記を種本とした小
- 読書紹介2232●「連続殺人鬼カエル男」
- 2022年10月06日12:43
●「連続殺人鬼カエル男」 中山七里著 宝島社 11年版 600円 本書のテーマは、刑法第39条の責任能力論の是非、「心神喪失者の行為はこれを罰せず」との規定の問題である。 マンションの13階からぶら下げられた、女性の全裸死体が発見された。傍らには子
- 読書紹介2231●「探花（たんか）ーー隠蔽捜査9」
- 2022年10月01日12:31
●「探花（たんか）ーー隠蔽捜査9」 今野敏著 新潮社 22年版 1650円 主人公の竜崎は、大森署の署長から神奈川県警の刑事部長に抜擢される。本部長に挨拶に行くと、竜崎と同期の八島が福岡県警から移動して警務部長となって赴任したと聞く。部下によると
- 読書紹介2230●「だまってすわれば」
- 2022年09月28日13:25
●「だまってすわれば」 神坂次郎著 小学館文庫 99年版 638円 本書は、大坂人・水野南北という天下一の観相師の、史実にもとづく一代記である。南北は5歳で両親を失い、10歳で酒の味をおぼえてグレはじめる。今でいう「反グレ」である。そこで、恐喝や強
- 読書紹介2229●「縛られた巨人 南方熊楠の生涯」
- 2022年09月25日13:48
●「縛られた巨人 南方熊楠の生涯」 神坂次郎著 新潮文庫 1987年版 520円 本書を読んで、南方熊楠とは何とも騒がしい人物だと思った。子供の頃から神童といわれ、字書でもなんでも読んだものを暗記してしまう天才であった。勉強ずきで、一心不乱に読書
- 読書紹介2228●「追憶の烏」
- 2022年09月19日12:56
●「追憶の烏」 安倍智里著 文芸春秋 21年版 1500円 八咫烏シリーズの8で、シリーズ第2部の2。山神さまが開いた世界（異界）・山内で、先の猿との大戦の際に全軍の指揮を務めた主人公の雪哉（29）が、主人として忠誠を誓った現金烏（皇帝）・奈月彦が暗
- 読書紹介2227●「逃亡刑事」
- 2022年09月17日12:51
●「逃亡刑事」 中山七里著 PHP 17年版 1700円 主人公の高頭冴子（32）は、千葉県警刑事部捜査1課の班長で警部、独身である。冴子の班は県警ではトップで、冴子はガタイが大きく背は180を越え〈県警のアマゾネス〉と呼ばれている。 その冴子のもとに、
- 読書紹介2226●「感染シンドローム」
- 2022年09月14日12:20
●「感染シンドローム」 初瀬礼著 双葉文庫 20年版 770円 本書は、新型コロナが流行する前の2016年に単行本として出されたものを文庫化したもの。本書では、アルツハイマー病と新ウイルスを原因とする劇症出血性脳炎によるパンデミックスを扱っている。
