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日記一覧

●「小倫敦(リトル・ロンドン)」 平谷美樹著 講談社 14年版 750円 時は幕末。主人公は、横浜外国人居留地を管轄する外国奉行所同心・草間凌之介。凌之介は、徳川慶喜の大政奉還後の日本で幕府がどうなるかわからないなか、せめて自分が守っている居留

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●「墓標なき街」 逢坂剛著 集英社 15年版 1800円 百舌シリーズ7。このシリーズは30年前に始まっていて、読んでいて陰鬱な気分にさせられる小説であった。百舌という殺し屋は、後頭部を千枚通しで突き、瞬時に相手を殺してしまう。ここに、公安刑事の倉

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●「草原の風の如くーー風の王国10」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 781円 本書で完結編。晋(後晋)が滅んだ(946)。契丹は中華の頂点に立ち、以後国名を「遼」と名乗る(947)ようになる。高氏渤海国も同時期に、突欲の軍に攻められ滅んだ。契丹

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●「でんだら国」 平谷美樹著 小学館 15年版 1600円 面白い本であった。江戸時代末、南部藩の支藩である外館藩は南部藩より5千両の上納金を要求されていた。それを賄うには、農民に新税をかける以外にないが、それにも限界があった。そこで、隠田探しが

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●「運命の足音ーー風の王国9」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 743円 白頭山の噴火が続いている。降灰は南渤海ばかりか高氏渤海領にまでも及び耕作地が次々と奪われていた。突欲の軍は、東丹国と高氏渤海国の砦を襲い、武器と食糧を奪って立ち去っ

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●「完盗オンサイト」 玖村まゆみ著 講談社 11年版 1500円 主人公の水沢浹(とおる)21歳、クライマーである。傷心を抱えて、カルフォルニアから日本に帰ってきた。ほぼ無一文で、宿もなく公園の奥の水道をくんで湯を沸かそうと思ったところ、巨岩のよう

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●「黄金の仮面ーー風の王国8」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 743円 突欲が亡命先の後唐で暗殺された。と、ここまでは史実のとおりである。しかし本書は伝奇小説である。突欲の死体は、ただちに腹心の劉干によって秘術にかけられる。日本(つがる

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●「突欲死すーー風の王国7」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 724円 7巻は、突欲のことがほぼ史書どおりに描かれている。東丹国の王として、旧渤海の首都・上京龍泉府にいた突欲は、契丹皇帝・堯骨に「遼東の遼陽城(遼東半島北部)に遷都せよ」と

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●「日本の『運命』について語ろう」 浅田次郎著 幻冬舎 15年版 1200円 本書は、著者の作品についての講演を本にしたもの。日本の運命とは、幕末、幕末以降の近代の歴史のことである。それを知らなければ、「自分の今、こうしてある座標」がどこにあるか

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●「炎路を行く者」 上橋菜穂子著 偕成社 12年版 1500円 本書も、守り人シリーズの番外編。本書には、守り人シリーズの登場人物でタルシュの鷹(密偵)アラユタン・ヒュウゴの少年時代を扱った「炎路の旅人」と、バルサの少女時代を扱った「十五の我には

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 「隻腕の女帝ーー風の王国6」 平谷美樹著 角川春樹事務所 13年版 724円 6巻からは、本書の後編となる。これからは、新たな国造りの物語となるのだ。皇帝阿保機の後継者選びが、阿保機の腹心部(精鋭2千騎)が集められ論議された。突欲は、突欲を推

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●「流れ行く者ーー守り人短編集」 上橋菜穂子著 偕成社 11年版 900円 本書は、全10巻ある守り人シリーズの番外編。守り人シリーズでは、30代の女用心棒バルサが主人公だが、本編では13歳の少女バルサを扱っている。 6歳の時に故郷を逃げ出して、7年

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●「渤海滅亡ーー風の王国5」 平谷美樹著 角川春樹事務所 12年版 705円 いよいよ渤海滅亡の様が描かれる。契丹国皇太子・突欲の工作で、渤海国の中正台(監察機関)長官・高元譲(明秀の両親の仇)が取り込まれていた。高元譲は、渤海国を契丹に売ったの

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