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日記一覧

●「静おばあちゃんと要介護探偵」 中山七里著 文芸春秋 18年版 1400円 80歳の静は、日本で4番目の女性裁判官だった。今もって後進の育成のため講演を行ったり、法科大学の臨時講師を務めたりしている。そして、請われて名古屋法科大学の客員教授になる

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●「風と行く者ーー守り人外伝」 上橋菜穂子著 偕成社 18年版 1000円 本書のテーマは、弔いと気づきと救いである。36歳になったバルサは、夫のタンダと草市を訪れ、そこで20年前に養父ジグロと護衛を務めたアダン・タラム(風の楽人)たちと再会する。 

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●「ソウルで逢えたら」 松岡圭祐著 徳間書店 05年版 1200円 日本が韓流ブームでわいていた時代、主人公の明恵は、闇金に800万円の借金をしていた。同棲した男の間に男の子をもうけたが、彼は認知もせず逃げた。借金返済に迫られ、水商売ホステスに応募

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●「ナポレオン3−−転落篇」 佐藤賢一著 集英社 19年版 2200円 本書で完結である。ナポレオンは「革命の申し子」として登場した。それは痛快きわまりない人生だった。一介の軍人にすぎない若者が、己が努力と才能で出世(彼は夜も寝ないで、勉強も仕事

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●「身体の言い分」 内田樹・池上六朗著 毎日新聞社 05年版 1500円 私たちの体は好むと好まざるとに拘わらず、その起源から一代も途切れることもなく現在にいたっている最新バージョンである。この事実を振り返って、あり合わせの材料の最大限の活用方法

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●「てらこや青義堂」 今村翔吾著 小学館 19年版 1600円 寺子屋の師匠は、元公儀隠密の十蔵。命を受ければどんな遠国へも赴き、切り崩しや流言、暗殺などを行う伊賀の陰忍であった。10代の半ばで既に凄腕の陰忍となったが、30歳になって自分の仕事が「何

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●「瑕疵(かし)借り」 松岡圭祐著 講談社 18年版 1900円 「瑕疵」で思い浮かぶのは、「瑕疵不動産」である。瑕疵不動産とは、アパートなどで自殺者があった場合、その部屋が瑕疵不動産となる。貸主には告示義務が生じ、その部屋の価値が下がるのだ。し

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●「この世の春 下」 宮部みゆき著 新潮社 17年版 1600円 重興に現れる子供と女と男は、今でいえば多重人格である。重興が、自分の身を護るためや、告発などのために出現するのだ。下巻では、この多重人格がなぜ現れるようになったかの謎が解き明かされ

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●「この世の春 上」 宮部みゆき著 新潮社 17年版 1600円 本書は、江戸時代の下野北見藩のお家騒動を描いた本。北見家第6代藩主・重興が26歳にして「押し込み」にあい、北見家別荘「五香苑」に幽閉された。重興に「乱心」があったのだ。この乱心は幼年

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●「義和団の乱」 松岡圭祐著 講談社 18年版 2300円 「時は1900年、北京の夜のこと」で始まる、欧米・ロシア・日本11ヵ国の北京の紫禁城侵攻事件は、「義和団の乱」を発端にしている。本書では、義和団がどのような「やむにやまれぬ」理由で組織されたか

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