●「ニッポンは面白いか」 選書メチエ編集部編 講談社 02年版 1600円
日本在住の20人の外国人の、日本・日本人論が収められている。
「東京アンダーワールド体験記」は、赤羽で出会ったヤクザと親しくなった著者が、その後、ヤクザの取材をした体験記。ここでは、60年安保で自民党に要請されてデモ隊を襲ったヤクザの話や、自民党の応援団として反共活動をやったこと。その他、メカジキ料の集金の話まで描かれていた。
その他、電車の中で居眠りする日本人のこと。ニッポン式結婚とフランスの結婚の比較検討。日本の宗教としての仏教や神道のこと。
ヘェーと思ったのが第10話「鏡の前の日本人」で、キリスト教は「初めに言(ことば)があった」と言語中心的であるが、日本は「他者の目を内面化する」。つまり、鏡に写った自分の姿を気にする、というのだ。
その例として、欧米人はカメラをあまり気にせず自分自身のありのままを写すが、日本人は「元気のよいおきまりのポーズ」を写す、という話。この両者の心理分析を、第10話ではしていて面白かった。
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