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日記一覧

●「ベンヤミン院長の古文書」 金澤マリコ著 原書房 15年版 2000円  ベンヤミン院長の古文書とは、7世紀に失われたはずのアレキサンドリア図書館の、人類の叡智ともいえる莫大な蔵書のことである。本書では、この蔵書がエジプトのコプト教(エジプト及

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●「満つる月の如しーー仏師・定朝」 澤田瞳子著 徳間書房 12年版 1900円 これまでの著者の本で、1番感動した本。テーマは、「御仏は本当にいるのか?」というもの。時は、藤原道長(966〜1027)の権力が絶好調の1020年。天台座主・院源の愛弟子・隆範は

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●「ふたり女房ーー京都鷹ケ峰御薬園日録1」 澤田瞳子著 徳間書房 13年版 1600円 時は天明の飢饉の後の幕末に近づいた頃。京都は丹波街道沿いに広大な敷地を持つ鷹ケ峰御薬園は、江戸の小石川御薬園、長崎の十善師郷御薬園などと並ぶ幕府直轄の薬草園であ

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●「日輪の賦」 澤田瞳子著 幻冬舎 13年版 1800円 著者が、奈良仏教を専門にしているというので読んだ本。本書は、藤原京(694〜710年)での持統天皇(天武天皇の正妻。天智天皇の子。在位690〜697)による律令と「日本」という国名を定めるまでの物語。

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●「体がラクになる『和』のウォーキング」 安田登著 祥伝社 12年版 1300円 著者の前著「身体感覚で『論語』を読む」が、あまりにも素晴らしかったので借りた本。安田氏は能楽師である。だから本書には、能の「すり足」が歩行の際の大腰筋を活性化させる

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●「身元不明ーー特殊殺人対策官箱崎ひかり」 古野まほろ著 講談社 15年版 1700円 なんとも奇想天外な警察ミステリー。箱崎ひかりは、警視庁捜査一課の警視。キャリアである。本書は、東京オリンピックが終わった2020年の東京。東京湾岸には、オリンピッ

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●「よろずのことに気をつけよ」 川瀬七緒著 講談社 11年版 1500円 本書のテーマは、「恨み」である。80歳の老人が殺された。その現場に、「不離怨願 あたご様、五郎子」なる呪術符があったのだ。殺された老人の孫・真由(18歳)が、文化人類学者で「呪

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●「師走の扶持ーー京都鷹ケ峰御薬園日録2」 澤田瞳子著 徳間書房 15年版 1600円 元岡真葛23歳、薬園の懸人である。母は3歳で死に、父は長崎に医術を学ぶ旅に出たまま20年間も音沙汰ない。そんな真葛を、薬園の主人夫婦が引き取り養ってくれたのだ。真葛

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●「桃ノ木坂互助会」 川瀬七緒著 徳間書房 14年版 1600円 桃ノ木坂互助会の会長・熊谷光太郎は、元海上自衛隊の曹長。実は、この互助会(老人会)には選抜メンバーによる秘密組織があった。彼ら老人たちは、町にそぐわない新規の住民を、密かに町から追

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●「身体感覚で『論語』を読みなおす。−−古代中国の文字から」 安田登著 春秋社 09年版 1700円 論語は、孔子(紀元前551~479年)の没後、約500年も経った後に本になった孔子の言行録である。孔子の言行録は、それまで口承されてきたのだ。ところで論語

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