「ザ·ロイヤルファミリー」の作者だからと読むことにしたが、正直ここまでの大作とは思わなかった。
大変面白かった。私の今年のベスト3には入る。
センセイとは、女子中学の中堅教師の加賀美秀彦。
3年生の担任になるところから始まるのだが、小説の視点は、その3Eの生徒たちだ。
ミッションスクールではあるものの、小学校は共学という
都民なら誰でも思いつくような、池袋のあの大学の附属校を連想させる。
坊っちゃんお嬢ちゃん達(良い意味で)が進学していきそうなーー飽くまでも私見ですが。
しかも、その女子中学は、確かに京王電鉄の沿線にあるし。
という事で、東京の私立女子中学事情に少しでも通じていれば、大変リアルな読書が楽しめる。
ほぼ冒頭から、主に富裕層が娘を通わせる学校ということが明らかになるし、
いわゆるスクールカースト風の、目立って華やかな生徒達と地味な子らが描かれる。
そんな彼女達の一人が、あるきっかけで、加賀美先生の重大な「現状」を知ってしまう。
それは大人なら誰しも触れないでおいてあげることなのに、
ある生徒が堂々と公表してしまい…
32名というクラス全員を、読者に分かりやすいように名簿として巻頭に挙げてあり、それが有難い。
というか、「ザ•ロイヤルファミリー」のレース結果の掲載形式で、好ましい。
3年生の1年間のでき事がひと月を一章として書かれているのだが、
彼女達が入れ替わり立ち替わり登場して、作者のこのクラスに対する愛情を感じてしまう。
最後は何となく想像できるものの、それでもラストはページをめくる手が止まらなくなる、
感情をつかみ取られる読書だった。
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