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日記一覧

コロナで巣ごもりしていたせいか、ここ数年では一番読書量が多かった。にもかかわらず、これ!という一冊には巡り合わなかったのが、心残り。過去にどんな本を読んだか、タイトルを覚えきれないので、大体が作家名で思い出すようにしているのだが、基本的に、

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認知症の夫と世話をする妻、そして家を出てそれぞれ暮らしている三人の娘の奮闘記。とても面白い。四人の女性が数々の困難に立ち向かい、戸惑い、協力していく姿をユーモアを交えながらリアルに描いていて、とても好ましい。中学の校長などを務めた昇平は7年

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引きこもりが長期にわたっている、裕福な家庭の問題を描いた週刊誌連載小説。とても引き込まれて面白かった。最後は止まらなくなった。大澤は開業歯科医で、一人暮らししに出て行った早稲田卒の長女がいる。一階をクリニックにしている、その三階には7年ひき

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ゴッホの自殺に使われた拳銃?にまつわる、ゴッホとゴーギャンの物語。またまたこの著者得意の、画家の研究者が主人公で、現在のパリとゴッホの生きた時代と2つの世界が描かれる。期待通りには少し欠ける面白さだった。パリで小規模オークションハウスに勤め

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この作家の、ドイツと日本ばかりでなく、国をまたがる感性が好きなので、手に取った。けれども正直、この短編集は私の感覚にはいささか too much。ちょっとがっかり、だった。読み手の力不足、とでも言おうか。それでも第一作目の「胡蝶、カリフォルニアに舞

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ブロードウェイのミュージカルを映画化。舞台の主役が主演しているが、共演の女優二人がとても良かった。特に、エイミー•アダムスが素晴らしかった。エヴァンは孤立して友だちのいない高校生、たまたま出会った、やはり孤独なコナーに、腕のギブスにサ

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晩秋の神代植物公園
2021年11月30日23:54

久しぶりに神代植物公園に行った。鉢植えの菊の展示は終わっていたけれど、これだけは残されていたし、まだまだきれい。カエデ園は少し色づき足りない感じ。午後は日差しの関係で、あまり写真には向いてなかった。それでも、人が少なくて良かった。日本庭園で

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人気料理研究家の妻(50歳)と売れないイラストレーターの10歳年下の夫、新たに雇われたデキる料理助手(35歳)は、とんでもない倫理観のイケイケ女子だった…いかにもの設定を、この熟練小説家が描くと、どろどろではあっても、ぎりぎり品性があるというか

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アクセスが大変不便な博物館だけど、工夫して行ってきた。意外に客が入っていて、危うく密になるところ。戦後、棟方は東京に戻ってきて、荻窪駅にほど近い所、アトリエ付きの住まいで制作に励んでいた。疎開していた富山県福光で力を蓄えてきた後国際的にも大

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アベンジャーズ•シリーズが終わってのマーベル映画新シリーズ第一作、監督が、ノマドランド でアカデミー作品賞を獲得した中国系女性。あのマーベルがジャオ監督?!と、まあ〜引っかけられて見に行った。レディースデイなのに、シネコンは2割の入り。

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「琥珀の夏」辻村深月著
2021年11月14日20:00

地方の新聞の連載小説、面白かった。子供を親から離して集団生活させる団体、かつての所有地から少女の白骨死体が発見された。もしかしたら、行方知らずになった孫娘ではないか、と弁護士の法子は老夫婦から依頼を受ける。そのは、法子自身が小学生の頃夏休み

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9•11のテロ後、アルカイダのリクルーターとしての罪で捕らえられ、キューバのグアンタナモ収容所に入れられ、拷問に耐えたモーリタニア人の身に起こった実話。これこそホラー映画、とも言えるようなシーンがありゾゾゾと寒気を感じた。ブッシュ政権下の

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読書好きの友人に勧められて読んだら面白かったヴァチカンもの。そういえば彼女はダン•ブラウンが好き。主人公はイスラエル諜報機関の長官アロン、家族揃ってイタリアに休暇に出かけたところから始まる。ローマ教皇が不審死をしたと、親友のドナーティ

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昭和の終わり頃から平成時代にかけて洋楽を聴いていた人ならだれでも聞き知っているアメリカ人ディーヴァアレサ・フランクリンそのドラマティックな半生を、「ドリームガールズ」で華々しく名を挙げたジェニファー・ハドソンが演じた、音楽もの。というと、二

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「赤旗」に「趣味で腹いっぱい」というタイトルで連載された小説。スルスル読めて面白かった。高卒銀行員の小太郎と院卒非正規雇用の鞠子は結婚し、 鞠子は専業主婦となって、趣味に明け暮れる毎日。マジメで働き者だけれど、出世は望めない夫と、高学歴であ

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6代目ジェームズボンド役のダニエルクレイグが、これでラストという話題の大作。水曜日の割引デーで、シネコンは7割位の入り。前作からの続きて、マドレーヌとの二人暮らしを選び引退したジェームズ、二人でイタリアの素晴らしいロケーションのホテルにやっ

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歴史ある美術系雑誌の最新刊、一冊2500円プラス税、と高価。先日行った日本民藝館の展示が素晴らしかったので、ノリで購入した。ページをめくるごとに広がる、あの美術館の世界。今回の特別展の他の部屋の優れた作品が、次々現れ、贅沢なアート紙に実物の

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ニューヨークで、ロシアンマフィアの恋人のとばっちりで逮捕され、22ヶ月間、米連邦刑務所に服役した若い女性の獄中記。えん罪とも言えるような逮捕理由に、抗うこともなく、あれよあれよという間に塀の中の生活、そして様々な服役者達との交流や軋轢。上手

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世界が認める天才画家ゴッホのあとは、日本の天才芸術家を愛でに、駒場の日本民藝館へ。別棟の西館(旧柳宗悦邸)が開館する日だったので、本館の外、二点の棟方板画も鑑賞できてラッキー。展覧会のタイトル通り、東北の民藝は焼き物、三春人形、織物等々様々な

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ゴッホ展 @東京都美術館
2021年10月06日20:11

予めチケットを取って行ったのだが、まず入口での短い行列に、びっくり。この展覧会は、ゴッホの収集家ヘレーネ・クレラー=ミュラーのコレクションからということで、特に有名な作品、⌈ひまわり⌋や自画像があるわけではないのに、思いがけない混

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「百合中毒」井上荒野著
2021年10月05日23:54

蓼科、白樺湖に程近い園芸シヨップのオーナー一家をめぐる不倫あり別居ありの夫婦たちのドロドロな人間模様。と一くくりにできない、不思議な魅力の長編。面白かった。25年ぶりに、父が家に戻ってきた。次女で末っ子の遥は怒りを顕わにするが、母と同居の姉

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新宿警察署マル暴担当武闘派刑事•佐江シリーズ第3作。とても面白かった、文庫本で読むクライムアクション映画という感じ。今回は公安部からの特別な任務を受けるのだが、相棒として押し付けられたのは、日本語の達者な中国人。毛という呼び名の彼は、

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今回の芥川賞受賞作、難解とまではいかないけれど、サクサク読める本ではなかった。ストーリーの面白さよりも、猫写とか文章の美しさ巧みさを味わう、というような小説。つまらなくはなかった、が、いわゆる面白い小説とは私には感じられなかった。主人公はド

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「冬の狩人」大沢在昌著
2021年09月02日21:51

狩人シリーズ最新作。面白かった。とは言っても少しばかり、先がわかったところもあったけど。主人公の新宿警察署刑事•佐江は、三年前の未解決殺人事件の重要参考人の指名により地方都市へ助っ人として招かれ、地元の有力な同族企業をめぐる事件に巻き

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現在の殺人事件と時効になった殺人事件が絡み合い、遺族と加害者家族が織りなす、何とも切ないミステリー。とても面白かった。東京の深川で弁護士の白石が殺された。だが、死体が発見されたのは港区に停められた彼の車の中だった。容疑者として愛知県在住の倉

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文献をひもといて仮説を立て、それを検証した著作。面白かった。国道16号と聞いたら、首都圏で車を運転する人ならどこかしらの街を思い浮かべるのではないだろうか。私の場合、八王子とか福生とか。若い頃は横浜新道で行った更に先の横須賀方面、とか。この

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「落日」湊かなえ著
2021年08月09日15:54

2年前のベストセラー。自殺がテーマなのに大人気だったワケは、読んでいくうちによくわかった、とても面白かった。一時は恋愛ドラマの売れっ子だった脚本家の下で働く東京で一人暮らしの真尋の実家は、海と山に囲まれた田舎の町にある。ある日、世界的な映画

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前回の直木賞候補作。力技満載な感じのアクションエンタメ長編で、面白かった。農水省キャリアとして、上司の命により不正を行い、退官後証券会社で働いていた古葉は、VIP顧客マッシモにいわれるまま、特別なしかもとても危険な匂いのする業務につくべく19

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「スワン」で直木賞候補になった作家の書き下ろし。かなり面白かった。東京の底辺で一人暮らしの河辺。そこへ故郷の村でかつて五人組の仲間だった男の伝言だと電話がかかってくる。訳ありアラカン男の、故郷に置いてきた過去の忌まわしい事件と現在の不審死が

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専門知識を駆使する個性派素人探偵の活躍する長編。面白かった。阿佐ヶ谷にある古い団地で10年前に発見された少女の遺体、高円寺の商店街に店を構え、美術解剖学を駆使し人の着衣で人体の不調を言い当てる特技を持つ京介は、同じく商店街の新参者の変人美女

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