軽く読めるのだが、とても面白かったし、大満足の一冊。中2の転校生丹野朋子は、ブータンというあだ名を付けられた。ある日クツ箱で中身の抜かれた財布が見つかる。物語は中年になったブータンと元同級生ワタベが出会うところから始まる。ワタベの中学の時の
雄弁な挿し絵がふんだんに添えられたショートストーリーと、一方、簡潔な文章が添えてある素晴らしいイラストの数々。本 というテーマを軸に、多彩に展開する物語集でとても面白かった。二人の作者の実力に改めて感心させられ、クスッと笑いつつも、中にはシ
今回の芥川賞受賞作、とても暗い、東日本大震災の被災者達の物語。読んでいて息苦しくなるような作品だけど、あの時の揺れで、テーブルの下に潜って一人耐えてやり過ごせた経験を持つ身としては、最後まで読まずにいられない小説だった。祐治は苦労人の植木職
若干名の採用に就職希望者5000人超の大人気企業の最終面接はグループディスカッション、そこに勝ち残った6人の大学生達の、友情と攻防。面白かった。裏切りの展開に、やや走りすぎの感はあったけど。物語は、「就職試験」2011年の出来事と「それから」2019年
今回の芥川賞受賞作の一つ。1週間位前に読んだ時は、これが受賞するとは思わなかった、って他の候補作は読んでないけど。ショッピングセンターの喪服売り場でバイトする「あなた」、主人公の目で書かれているのに、二人称の表記だから、正直読みにくい。段々
レペゼン とはrepresent のこと、ラッパー用語だ。これはラップバトルに挑む、梅農家を経営する未亡人と、彼女をめぐる人々の物語で、とても面白かった。一人息子が出奔し、明子は彼の妻⋅沙羅と二人住まい。結婚5年で夫と死別、息子の雄大は幼い頃から
明るくワクワクするような話はない、が、ゾワゾワしながらもなんだか惹かれる短編集。多くの作家に評価されていると言う。この作家は2004年に68歳で亡くなったのだが、米国内の、主に西部に住み、3回の結婚離婚を経て4人の息子がいる。本書タイトルの掃除
疎遠だった父が亡くなり、田舎にあるその実家に移住した若手小説家の冒険ミステリー、とても面白かった。 美しい自然に恵まれた、中部地方にある町のハヤブサ地区。東京から移り住み始めたとたん、太郎は消防団に誘われる。入団してみると、平和に見えるこの
いわゆる詐欺の物語が3話、どれもとてもおもしろく、引き込まれて一気読み。年初からこんな素晴らしい読書ができるなんて、今年はついてる、と嬉しくなった。まずは、コロナ禍のなか、地方から上京した大学新入生が孤立し、引きこもり生活をする中で、犯罪に
平野啓一郎原作の映画化、とても面白かった。三が日明けの平日、1日たった一回の上映のためか、ほぼ満席で、びっくり。宮崎にある実家の文具店に、幼い息子を連れて出戻った里枝。他所から来た大祐と知り合い再婚、娘を授かる。が、大祐が事故死したことで、