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日記一覧

川がある街に暮らす人々を描く中編3作。楽しんで読めた。2作目は、人間ばかりでなくカラスの生態までも語られる。「街を立体的に見せるため」だそうだ。認知症の老未亡人⋅芙美子の、ドイツでの生活を描く3作目が特に気に入った。段々と明かされてく

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著者の等身大と思われるような色の濃い連作短編集。読み手にも依るのだろうけれど、私にはそこここでクスリ、にやりと笑えるような話ばかりで面白かった。元はと言えば、この作家を好きになったのは、素顔の人となりが感じられる連載エッセイからだった。独特

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去年、生誕120年記念の展覧会が、国立近代美術館等で開かれた世界のムナカタ こと、棟方志功の生涯を、主に妻のチヤの目で描く力作、とても面白かった。共に青森の生まれ育ちの二人が知り合い、偶然にも再会し結婚。しかし師もコネも無い棟方志功は、単身

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中学時代のいじめの加害者と被害者が大人になって再会する。心に刺さってくるような展開に、ページをめくる手が止まらない長編。とても面白かった。ルッキズムどっぷりで成人となり母となった莉子と、不条理に真っ向うから立ち向かえる強さを持つようになった

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長年のように一年1冊のペースだったのに、久しぶりの邦訳。主人公ケイ⋅スカーペッタが、今回は古巣ヴァージニア州に戻って新しく検視局長に就任したところから始まる。いつものメンバーーー夫のベントン、元刑事のマリーノ、そして最愛の姪ルーシーは

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東京と英国湖水地方を舞台にしたロードムービー。タイトルが表すように、ウサギすなわちピーターラビットがキーとなるかというと、さほどでもない。亡き妻の散骨をしに、主人公と錦戸亮演ずる一人息子の一家が英国まで旅に出る。もともと父子関係は良好ではな

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海と山を持つ架空の県での人間模様を描いた連作短編集。爆笑はほぼないが、何回もクスッ、ニヤっと笑わされて楽しめた。タイトルにあるように、本物の神が人間に変身して登場する話もあれば、人間のみの物語もあり、主に中年、或いは若手の社会人達の、黒蟹県

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著者は、ひと頃テレビに出演していたような、流行りものの案内や解説を得意とするコラムニスト。というか、軽いノリを装いながら、実は国会図書館利用のリピーターチャラい側面を押し出しながらも、核を持っている執筆者だと思う。今回の本はタイトル通り、昭

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