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2018年03月11日20:52

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shape of watarの感想をレビューに書いたら文字制限にあった

なので、以下に書きたいことを書くことにする。

札幌に出たので映画館で見てきた。ネタバレ有りの感想を書く。
栄えある今年のアメリカアカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞。
監督のギレルモ・デル・トロはパシフィックリムの監督であり超オタクとして有名。来日するたびに怪獣の着ぐるみとハグし合う写真が見られる。

去年日本ではアニメが大ヒットしていて君の名は、この世界の片隅に、映画聲の形のみっつがトップスリーだった。君の名はは日本の興行収入が歴代2位となり、この世界の片隅にがキネ旬ベストワンとなって、アニメ畑の庵野秀明が監督したシン・ゴジラが日本アカデミー賞を受賞した。シンゴジラは特撮映画で日本アカデミー賞を初めてとった記念碑的な作品だし実写の興行収入ではこの年では一番稼いだ映画だった。

前述の三つの映画の一つ映画聲の形はshape of voiceという英語の題名でこれは最後周りからの目や耳を閉ざしていた将也という主人公が周りの声を聞くことができたラストシーンに浮かび上がるのだけど、この映画の題名も最後海の中で半魚人とイライザが美しく漂うパッケージやポスターで見られるシーンのあとにshape of waterの文字が浮かび上がって、やっぱりデル・トロは聲の形を知ってたんだなあと自分は確信した(自分の一方的な思い込みなことに自覚はありますw)映画の宣伝でも言われていたけど黒人や同性愛者、イライザも発音ができない障害者でありマイノリティがたくさん出てくる。聲の形も硝子は聴覚障害者で将也の家の義父は日本人ではなく、硝子の母も離婚しておりいわゆる普通の人たちではない。登場人物たちにマイノリティを持ってくるところがとてもよく似ている。白人たちがマイノリティと分かり合えないところと、いじめをしている将也と障害者である硝子が本当に分かり合えるまで苦労するというコミニュケーションとか相互理解の難しさの話というテーマも似ている。俺は一方的にデル・トロがこの映画を通して聲の形にリスペクトを捧げていると思うことにする。この題名を予告を見た時からあれ?似てるぞワザとかなとずっとモヤモヤしていて興味に行ったらそう確信せざるをえなかった。すっきりした。

さて前置きが長くなったけどこの映画自体はどうかといえば当たり前だけどとてもよかった。一番よかったシーンはイライザが初めて半魚人と交流を持つゆで卵のシーン、水槽の脇にちょこんと座って半魚人と対面する時のあの可愛らしい座り方が恋する乙女でもうおじさんやられてしまいました。きちんと化粧して着飾ったサリー・ホーキンスは多分超絶美人だと思うのだけど、半魚人と出会う前の彼女は内気で周りと関わり合いを持ちたくない暗い女性だったんだよね。それが恋愛をして変わっていくその様子を本当に魅力的に演じていて、人が変わっていく瞬間を的確に演じていたのが素晴らしく映画的だった。

あとよく言われてる通り世界的な右傾化排外化の動きに対するアンチの姿勢を貫いてましたねえ。最後あそこで半魚人がスパッと首を切るシーンはマイノリティを虐待し続けたクソ白人はこうしてくれる!スパーッて感じでしたねえ。トランプふざけるなって感じがよく出ていた。デル・トロは名前の通りメキシコにルーツがある人でそのような世の中の流れにはかなり怒りがあるのだと思う。ゲイの画家や黒人に対する侮辱的な態度をとるパイ屋さんも劇中描かれている。もちろんデル・トロも怒りを持っていないとおかしい。このメッセージ性がアメリカ映画人をしてデル・トロにアカデミー賞を授けようと思わせたのだ。
あの首の切られたマイケル・シャノンという役者は怪演でとても存在感があって良かったです。多分この当時のアメリカは60年代、70年代ぐらいかなと勝手に思っていて郊外に家を持ち家族を養って車を買うっていうアメリカのライフスタイルで、その後アメリカ人は彼のようにこき使われて精神的に病んでしまいカウンセリングを受けて精神安定剤を飲むようになるのだけど、マイケル・シャノンはそんなアメリカの典型的な男性を演じていた。当時の風俗をよく描写したと思う。多分アメリカの芸能に詳しい人から見たら画家の部屋のテレビで流れていた番組がなんなのか誰が演じているのかわかってもっと楽しいのだろう。

半魚人の話といえばローレライの伝説もあり人間ではない半魚人と人間の恋の物語は受け入れられやすいものなのかもしれない。でもこの映画に出て切る半魚人に恋をするってちょっと難しいような気がするなあwwww俺が男だからだろうか?まあ恋の始まりには理由はないが終わりには理由があると加持さんも言っていたのだしそんなものなのだろう。

町山智浩がアカデミー賞の番組で涙を流していて特撮でも勝負ができるということに感激していたのが理由なのだけど、日本のアカデミー賞は宮崎駿が特撮では前述の通り庵野秀明がとっているのだがアメリカで特撮の映画がアカデミー賞をとるのはやはり画期的なことなのだろう。アカデミー賞はスターウォーズが取れないとかダークナイトが取れないとかインディージョーンズが取れないとかあってアクション、SFはやはり下に見られていた。それを今回打破できたことはとても喜ばしいことなのだろう。すでにアメリカのアカデミー賞にはアニメ部門があるので作品賞にアニメが来ることはないだろうが、アクションやSF、特撮でもっと質の高いものが出てくるといいなと思う。
アニメや特撮がその他旧来の実写映画では特撮は下に見られるってのは日本も同様で日本のアカデミー賞にアニメ賞ができたのは宮崎駿がずっと撮り続けるのも困る体という理由らしいし(本当にそうなのかは分からないですが)映画芸術の年間ベストに今年からアニメが除外された。このことについてどのように考えたらいいのかってのはアカデミー賞や映画芸術の年間ベストがどのような性格のものなのかを踏まえて考えないといけないかなとは思う。単純に見て楽しくて面白くていろいろ考えさせるものであればなんでもいいと思うのだが映画を作る関係者というか映画制作会社にはそうとは受け取れない問題なのかもしれない。

あのゲイの画家はデル・トロ自身の投影なんだろうねw似てると思う。マイノリティとしての自分を彼に重ねたんだ。

びっくりしたのがイライザの冒頭の入浴シーンのヌード。後ろの方でイライザと半魚人のセックスを思わせるシーンもあって、特撮映画としては性的に強い描写かなと思った。でもここを逃げないで描く覚悟があるのがこの映画の芸術性を高めた。イライザは本当に深いレベルで彼を求めて彼はそれに答えた。マイケル・シャノンのセックスシーンもその前段としてこの映画でお互いを求めるってことはこういうことなんだということを示す前振りとしてないと困るシーンだ。

最後のイライザと半魚人のシーンはとても綺麗で良かった。はじめて半魚人が自分の居場所に戻れて生き生きとしたシーンだった。美しかったと思う。

そんなこんなをいろいろ考えた。でも映画を見ている間はとても楽しく見ることができた。社会に対する怒りとかあるのだろうけど通奏低音的にデル・トロの特撮、アニメに対する肯定的な感情、尊敬がこの映画の根底にあって画像の向こうにいるデル・トロととても楽しく会話できたようでとても幸せだった。見に行ってよかった。
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