mixiユーザー(id:1299833)

2015年11月26日13:59

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古井由吉『行隠れ』(1972)

 家族小説としてみなされる連作小説。
 鬱屈さにみちていて、しかも読みにくい文体(その頃は、それでも世間は受け入れていたのだろう)。
 家族おのおのの濃密な描写、ときとして果てがないとまで思わせるほど。
 思いのみが渦巻きあい、たしかなものはなにもないかと思わせる。
 それでも、救いがまったくないわけでもなさそう。
 どこから始まってどこへと行き着くのか、そんな曖昧さに魅了されてしまうひとたちもいるはずで、おそらくわたしもそのひとりなのかもしれない。
 漂うことも可能なのだ。
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