卵や乳製品も取らない完全菜食主義者(ビーガン)の世界は旧約聖書のいう、乳と蜜の豊かな土地ではない。当たり前のことだ。ところが、完全菜食主義とそれを信奉するセレブたちが発信している熱烈な記事の見出しを見ていると、動物性食品をまったく食べなけれ
な、なんとメキシコ各地に死体安置所のかわりに計十二台もの冷蔵トレーラーが散在し、あわせて九百体の身元不明者が納められているのだとか。この数字、はたしてさらに膨れ上がるものだろうか。
メキシコでは秘密裏に埋められた死体が百五十以上も発見されて顰蹙をかっている。 こんどは、身元確認できていない死体が、遺体安置所に置ききれず、冷蔵トレーナーに積み込んで二年ぐらいそのままのグアダラハラ。 しかしその悪臭に堪えきれない住民の圧
ヨーロッパ史のさまざまなところから話を持ち寄り、自分なりの味付けをほどこすのがこの著者。 話の創り方も上手だが、斜めから眺めるような、ずらせ方が卓越。 チェコにて暮らしたユダヤ人、くしくもあのカフカより一年早く生まれ、高校ではカフカと親交
徳川時代の江戸ほど現在にいたるまでのニホン史を通じて、爛熟した社会が成り立った時期はないのかもしれない。 もちろん江戸期といっても長きにわたるので、より詳細にみていく必要があるが。 江戸期の洒落っ気やら粋を引っ張っていったのは何か。 それ
レオ・ペルリッツ『アンチクリストの誕生』(ちくま文庫)を読み始める。 いまはむかし、ノーベル賞をガルシア=マルケスが受けた年、上智大学にて安部公房が記念講演を勤めた。もちろん義理か何かで話しづらそうだった。「前の年にもらってるのが、エリア
語り手を人に設定しないというユニークな設定によって成り立ちながら、ごくありふれたようにもみえる保険金殺人について、関係者、世間一般がもどかしさを分かちあうというフラストレーション満載の構成。 読み手を惑わせれば惑わすほど、のちに読み手が味
浅草も裏へまわると、貸し切りバスを乗り降りする中国人観光客であふれかえっている。 そんな目立たない一角、それでも公園の片隅であるが、巨岩に青銅でうがかれたえたいのしれない生き物群を見かける。 不思議で、一見、魔除けのようなものにさえ見えて
わたしたちは中国を、いわばハイパーグローバルにしか捉えられなくなっているかもしれない。 あるいはその逆、いまではニホンの目だったところではどこでも中国人の観光客に接することができる。 わざわざステレオタイプ化しなくても、わりと近くでさまざ
毎年、夏にトウキョウ・ドームにて都市対抗野球選手権なるものが行われる。 ずっと前に、通りがかったときに入ってみたいものだと思ったが、そのときは入れてもらえなかった。 今回は、同行の士が野球ファンということで、ぜひトウキョウ・ドームのなかを
これが悪徳政治家と笑いものならば、ニホンのことであるが、じつはクウェートなんていう遥かなくにでのことらしい。 古い魚のことを俗に”ねこまたぎ”なんていうが、古い魚を売るにはどうすればいいのか。 それで、ああ、目の玉をイキのよい魚風にすれば
モノが溢れかえり、さながらカタログ小説のようなおもむき。 そんななかであわただしく人と遣り取りし、あるいはすれちがっていく。 なにを考えてるひとだろうかと思いがおよぶまえに、しだいに展開はショッキングに。 ショッキングをこえて凄惨さに。
友人でもある畏敬の画家ナフム・セニルの展覧会オープニングあり。 特異なヴィジョンを持つアーティスト。 インティミストでもあり、じつはネットにのせられないような作品もずいぶんある。 しかしある意味でメキシコを象徴するアート。 国内でより国外
(大阪の台風被災にお見舞いもうしあげます)古書籍に骨董的価値が生まれている時代だという。しかし残念ながらその書かれている内容ではなく、そのもの自体の骨董的価値が、つまりインテリアとしての価値があるのだという。そんなとき、大阪のツタヤにて大胆
米国からイギリスへのソフト飲料のキャンペーンにサブリミナル効果が極秘に実施され、印象的な効果をあげる。 しかしそのキャンペーンは不法でもあることから、裏で大仕掛けの動きがひろがる。 そのストーリーの意外性は、わたしたちの住んでいる世界の意