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日記一覧

 この荒唐無稽さ、理不尽さ、有り余るバイオレンスは何だろう。 秩序と良識が存在する以前の混沌さ、そこではすべてが含まれ、何もかもがゆるされる。 これこそ歴史が始まる以前の人間とそれを囲む世界の有様だったのではないだろうか。 こんな話は、まっ

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お芝居のナレーター
2021年09月28日13:32

異邦に留まると様々なことをもとめられることがある。今回はお芝居のナレーター役をおおせつかった。ヒバクシャについての劇で、事実上の主人公役、証言者のような役回りでもある。人形劇ではあるがほぼ等身大のような人形。ニホン語訛りのあるスペイン語とい

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 鏡花はいまではあまり読まれない。 文が古くさいわけではない。逆に、のめり込み、はまり込ませるような魅力をかかえている。 いわば魔術的リアリズムと形容してもまちがっているわけではないかもしれない。 この幻想性、耽美性なるものはどこまで江戸期

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 この作品を数語でまとめるなら「一冊の本。結び目の図解。信管の配線盤」というところか。もちろん、この結び目というのはヨーロッパとアジアの結び目、という含みもあるはず。 ひとは国境をさだめ、いくさをおっぱじめる。 その近代消耗戦がたどり着いた

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「自動車はけっしてスクラップにならない」という。あの部品この部品があちこち持ち運ばれ、どこかで組み込まれて働き出す。だからペンを持ち歩くひとよりスパナやドライバーを持ち歩くひとのほうが多い。これも「イギリス人の患者」の一節。インドの(工学的

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西洋画と日本画
2021年09月13日12:38

西洋画と日本画のちがいは何だろうか。西洋画は、写実に徹底し、ありのままに描くことを課題とする。日本画は、描かれるものの本質を抽出し、余分なものをこそげ落とすことに留意。少々、乱暴な言い方であるが。だからいつか「驚いたことを思い出して描いてく

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水たまりの哲学
2021年09月09日12:30

 いま読んでるオンダーチェ「イギリス人の患者」に次の一節あり。「アジアの庭園では、岩を見て水の流れを感じ、水たまりを見て、そこに岩石の固さを想像する」枯山水のことはだれでも分かるとして、水たまり云々が謎っぽい。またはわたしが無知なだけで禅の

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ヨーロッパ哲学では終始、「本質」ということが問われていたと思う。それがいつしか「関係(性)」にこそ大きな意味があると言われるようになった。しかしながら近年、「表象」ということが繰り返され、それは「現象」とどう異なっているのか。「表象文化」と

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