北杜夫は「牧神の午後」を読んだのだから今度はクロノロジカルに「幽霊」を読む番だと思ったのだが、あると思っていた本を探すとそれは「木霊」でひとつ飛んだことになり、どこかしっくりこないなと思うと同時に、こういった勘違いを恥じ、だから人の記憶なん

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　ディケンズの片割れ、つまりヴィクトリア朝が事細かく描かれる。つまりイギリス資本主義が盤石になっていく社会。そんな背景を意識して読めばいいのかも。たとえば「探偵志願」には「ボヴァリー夫人」を彷彿させるものもあり。読み物としてはおもしろい。推

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（１）おそらく少なからぬ人たちは、たとえば高校生の頃（中学、または小学というのも大いにありえる）に、航海モノを通して北杜夫を知ったことと思う。（２）しかし、あるとき、「夜と霧の隅で」のような短篇を手に取って、驚くにいたる。（３）その長さによ

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人を畏怖させるに値する一文なるものは、存在する。「自然が病んではじめて精神になる」。なんだ、こりゃ、いったい何を言ってるんだ！自然には、思想も解釈もいらない。ときに人は「森林の思想」なんて屁理屈をこね回してみるが、どっちみちレトリックでしか

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