2012年刊行で小学生を主人公にしたファンタジー「七夜物語」の続編。
前作を読み直しておけば良かった、と感じたけれど
これはこれで、とても良かった、面白かった。
何より、私にとっての最高な物語を、ズバリ、
この作家らしい表現で称賛している箇所が秀逸だった。
りら と 絵(かい)は小3の同級生で、大の仲良し。
「あつかいのむずかしい子ども」のりらは、成績優秀だがクラスで孤立気味。
絵の方は社交的だし運動もよくできる。が、親の離婚によりシングルマザーとの二人暮らし。
色々苦労もある。
その母親が児童文学作家のようで、どうも作者自身を投影しているように感じられる。
りらの父親は大学教員で、標準的というよりは変わり者なのだが、
そのためか、りらの嗜好と思考が、何とも大人びていて、
時々、とても独特で子どもらしくない。
そのためか他の同級生達の誤解を招くような言動があり、
りらはクラスの3人の女児に…
前作が長編ファンタジーだったし、これもファンタジーなのだけれど、
現代小学生の深刻な現状が著されていて、切なくなる。
ここからは、ネタばれになるが
何よりも心に響くのは、20世紀の非ファンタジー児童文学の傑作へのリスペクト。
「オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ」
と出てきた時は、おもわず叫んでしまった。
ということで、昭和時代、外国児童文学の大作をたくさん読んだ人にはお勧め。
ただし、そのままの引用は、この一文だけなためか
典拠が明記されていない。
この点に関して、かえってアーサー⋅ランサムへの、
川上弘美の思いの深さを感じてしまう。
って勝手な思い入れかな。
ランサマイトにはお勧めです。
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