授業中、学生も黒板も見ずに、窓の外を眺めていることがおおい。
不良センセイである。
いまはむかし、仏語初級を習い覚えていた頃、リーダーにルシアンという子が出ていて、この子は授業中に窓の外を眺めている。それで教師に叱られる。
おなじ境遇だな、と述懐する。
今週、先週と枯葉がはらはらと舞い落ちていくところが窓越しに見えた。
ああ。秋だな、人生だな、と感傷的になる(いや、秋ではないか)。
木立が窓に迫っている。
枝を栗鼠が渡っているのが見える。危なっかしく渡る。
ハチドリが宙に留まっている。
大江の『洪水はわが魂に及び』を読んでからというもの、野鳥の声をいつくしむことを覚えて、耳をかたむける。
人生を、自然を愛したい。
教師としては不良である。
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