あまり乗らない方面のメトロに乗ると、ずいぶん空いてる。座ったわたしの前には可愛い女の子がいる。
二人の怪しい若いモンが乗り込んできて節をつけて、どうせ「お金がないけど、わざわざ盗るのもすきじゃない」とか「刑務所を出てきて、すっからかんなんだ」とか喋ってるのだろうと思ってびくりとしてたら、どうやらアカペラでラップをがなり立ててるらしい。
なんと前に座ってる若いオネエチャンは両親指まで立てた。すごくイイね、という意味らしい。昔はこんな表現法はなかったはず。すくなくともニホンでは。でも、いまは流行りらしい。
するといま読んでる中島京子『FUTON』に「デイブに向かって親指をアップさせて」というフレーズあり。もっともひとつの親指をたてるのと両親指とでは意味合いがずいぶんちがうみたいだが。
あたらしいことに付いていくのは、いかにもむずかしいわざなり。
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