mixiユーザー(id:1299833)

2016年03月09日13:37

188 view

江戸家猫八『魚に釣られた猫』(中公文庫)

 猫八さんは、貴重な体験と向き合って生きてきた、軍の輸送船やらヒロシマでの被爆とか。
 そういう話は、どうやら他の本で語られているらしい。
 ここではタイトルにもあるように、釣りに焦点が絞られている。
 釣りというと、わたしあたりはつい開高健とかを思い浮かべてしまうのだが、開高はどちらかというと例外に属するのであって、たいていは病み付きとしての釣り、というところか。
 わたしはあまり心得てはいないものの、世間にはまぎれもなく釣りブンガクなどというものも存在しているらしい。
 この本ではもっぱらヘラブナというところで、いかにも小市民性があぶりだされている感じ。
 ほんとは卑小な世界のはずなのに、それでも病み付きになってしまうひとがいるのは、いったいどんな道理に基づいているものやら、わたしのような部外者にはあまりわからない。
 とにかく、もっと突っ込んだ叙述が欲しかったが、多忙やら書き綴ることへの執念が足りなかったのだろうか。
 こういう場合、その責任はおおいに編集者にもあると思う、この場合は、小林一正だとか。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年03月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031