高齢者の恋愛を喜劇的に描いた長編。途中辟易するところもあったが、面白かった。
8月10日夕刊に、著者のインタビュー記事が掲載されたが
この小説の狙いの一つは、「男性性」の剥奪
だそうで
離婚後一人暮らしをして、なんとか家事に慣れてきた昭和の男の奮闘ぶりが描かれる。
別荘として購入した高原の家に一人暮らしの次郎は、
経営に失敗し離婚後、愛する娘が独身のまま他界。
そんなある日、地元で行われた読み聞かせ会にやって来た絵本作家の胡桃と出会う。
後期高齢者の2人が、段々心を通わせて行くところが、
読み手には驚きと共に、納得の展開となる。
生々しいとしか言えないような描写もあったが
概ね2人の日常は好ましく描かれる。
けれど、高齢者だから……
人生で躓いた老人が立ち直ってゆく様と、
一度も結婚したことのない老女が、思い切って踏み出す様が
ところどころ笑えるような進み方で紡がれ、
最後まで読み切りたい連載だった。
読後感は良好。が、やはり「やさしい猫」の方が好き。
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