著者は「翼をください」の作曲家で、YMOらのプロデューサー、そして
若くして会社経営に乗り出し、YMOを゙世界的大ヒットに導いた。
この著作の前半は日経新聞の私の履歴書をそのまま転載、後半は著名人との交流を゙中心とした
日米仏のセレブ達との交流に関してのエッセイ集だ。
村井邦彦は1945年東京生まれ。
この本は成功したおじいさんの自慢話をまとめたものと言えなくもない。
しかしグループサウンズや昭和歌謡の大ヒット曲を゙作りながらも
音楽出版から始めて、アルファレコードという制作会社を創業し、ビジネスマンとしての成功もしている。
だからその交友範囲はとても広くバラエティに富んでいる。
例えば、ピアノを゙弾いて作曲するのに、子供の頃からお稽古してきたわけではなく、
まともに教わったのは、中学に入り、友だちの母親がジャズピアニストを紹介してくれたから。
その友だちというのが、あの故中村吉右衛門。
二人は暁星小学校から同級だった。
と、村井の華やかな交友関係は、吉右衛門と知り合った7歳から始まるのだが、
大きな飛躍を遂げたのが、高校生の頃通い始めた六本木のキャンティで
オーナーの川添一家と親しくなってから。
この店に集う客が豪華で、とても興味深い。
アルファレコードのスタジオAのこけら落としの録音は、
荒井由実の「ひこうき雲」だったが、レコーディングの裏話が大変面白い。
女子高生ユーミンは礼儀正しく「謙虚で控えめだが自分の意見ははっきりと言う」
他に、憧れのパリで短いながらも暮らした話とか、アメリカ人の著名人達との交流も。
実は私がこの本を読みたかったのは、アルファレコード設立に関して
カシオペアの話が出てくるかと期待したから。
クロスオーバーとも呼ばれた日本のフュージョンをリードしてきた
カシオペアのリーダー野呂一生個人については、ひと言も書かれていなくて、ここはがっかりだった。
けれど、会社経営に関して村井の世話をしてくれた実業家の一人に
お目にかかる機会があったので、その方の容貌の描写が本当に納得できて、
そこは面白かった。
ログインしてコメントを確認・投稿する